蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

BMI  (bon)

2022-10-03 | 日々雑感、散策、旅行

      昨日の日曜日、日本女子オープンは最終ラウンド、混戦から抜け出した勝みなみが
   逆転優勝を果たしました。16番ホールでは、勝みなみ、吉田優利、シン・ジエの3人が
   2アンダーで並んでいました。ひとつ前を行く勝が17番バーディ、同ホール、最終組の
   シン、吉田は共にフェアウエイバンカーにつかまり、シンはボギー、吉田はダボで後退。
   結局、シンは18番でバーディフィニュッシュするも2アンダー。勝が3アンダーで連覇し
   ました。高2のアマチュア馬場は5オーバー11位、ベストアマでした。素晴らしい秋晴れの
   紫CCすみれコース、難しかったようですが、皆さん素晴らしいプレーヤーですね。

 

 ちょっと怖い気もしますが、難病患者には福音となる可能性がある医療器具
(システム)のお話です。 手元にある会報に「脳で直接機器操作―ブレイン・
マシン・インタフェースの最新動向と今後の展望」(平田雅之氏、大阪大学大学
院医学系研究科特任教授)と題した講演録(講演は今年5月10日)からの紹介です。

 これまで、BMIといえば、Body Mass Indexの略で、体重と身長から肥満度を表す
体格指数のことだと思っていました。BMI=体重㎏÷(身長m)² で、日本では
18.5~25未満が標準体重とあります。因みに、WHOでは、25~29.99までは「前肥
満」で、肥満1の手前に位置しています。

 会報にある、BMIとは、Brain Machine Interface の略で、脳と外部機器とを繋
ぐ役目を果たすもので脳に埋め込む方式や、脳に置く方式などいろいろと開発・
研究されて来ているのです。

 で、どういうことかといいますと、「脳に電極を埋め込んで脳波を計測し、AI
で解読してその人の意思が分かるようになってきた。」というのです。脳に思い
描いたことが、外部の機器を動かせるということなんですね。

 開頭手術をして、頭蓋内にワイヤレス電極(BMI)を置き、電極で頭蓋内から計
測した正確な脳波をAIで解読し、「その人が何をしようとしているか」を推定して
ロボットアームを操作することが出来るというのです。

 対象となる患者は、ALS、脊髄損傷、切断肢、脳卒中後遺症などで四肢麻痺や発
話障害に苦しむ人たちが想定されています。
 数年前に私の叔父がALSで亡くなっています。初めは口がきけず筆談が出来てい
ましたが、それも出来なくなり、とうとう口からものも食べられなくなりました。
それでも意識ははっきりしていますから、思っていることが表現できるというのは、
その人にとっては何にも代えがたいことですね。

          (ネット画像より)

 BMIのコア技術には、頭蓋内に電極を埋め込んで正確な脳波を計測する技術と、
電極から計測した脳信号をAIで解読する技術の2つあり、それぞれの技術の概要が
述べられていました。

 脳信号をAIで解読する技術は、手を動かす、つかむなどの動作や言語機能を司
る脳の位置や発せられる信号の周波数などのいわゆる脳信号の種類やパターンを
種々の動物実験などを通して解明して来たとあります。 
 これらの脳信号を「教師あり機械学習」のAI機能を使って大量のデータを読み
込ませてAIに学習させるのだそうです。 それにより、脳信号の解読結果にもと
づいてロボットアームをリアルタイムに三次元的にコントロールし、さらに細か
な動きはロボット側で自律的に動くことによって操作性能の向上が図られるよう
にするなどの工夫が施されるのです。

 アメリカでは、2012年頃からいくつかの大学で、ロボットアームを制御してチ
ョコレートを食べたり、ジュースを飲むことに成功しており、2019年には脳信号
からその人の発話内容を推定する技術を開発したとあります。


 BMIのもう一つのコア技術である、体内埋め込み技術については、頭蓋内に埋め
込むため難易度が非常に高い技術です。いろいろな方法が検討されているようです。
欧米に多い針電極タイプの脳波計は、硬くて微細な針が剣山のように並んでいる
電極を脳内に刺入する方式です。これは、正確な脳信号が計測できるが脳を傷つ
け経年劣化の問題があるようです。

 脳の中心部にある太い静脈血管内に網目状の電極を置く技術も開発されていて、
開頭手術が不要である利点がありますが、電極を血管内にしか置けないとのデメ
リットがあるそうです。 さらには、あの電気自動車のテスラのマスク氏は、100
億円以上の私財を投じて高性能BMIを開発するベンチャ―を設立し、極細糸の電極
をミシンのように脳に縫い込む式のもので、猿を使った実験ではピンポンゲーム
をしたとのことですが、やはり脳を傷つける欠点があります。 フェイスブックは、
開頭しないウエアラブルなBMI を開発していたそうですが、正確な脳信号が図れ
ないことから撤退したそうです。

 日本では、脳に傷を付けず、脳の表面にシート状の電極を置く方式のBMIを開発
しており、電極間隔を狭く高密度にし、微小な信号を増幅するなどの機能を集積
回路化したものに取り組んでいるとあります。設置のために開頭手術は必要です
が脳を傷つけない利点があります。

          (日本BMI協会より)

 この技術は大変困難を極める難しいものとありますが、平田氏は、心臓ペース
メーカーを思い出し、1970年代に実用化されてから50年間装置の機能・大きさなど
は殆ど進歩していないことを想い出されたのだそうです。

 これに勇気を得て、2008年から実用化を目指し、日本光電工業や村田製作所と
共同研究を推進するとともに新しいベンチャも立ち上げたとあります。2023年に
は検証治験を始める予定だとあります。

 BMIはロボットアームや意思伝達装置以外にも様々な外部機器と接続可能で、IT
と接続すれば寝たきりの患者でもメタバースやインターネットの世界で健常者と
同じように活動できるのです。介護ベッド、電動車いす、アシストスーツ、家電
などを自在に制御することも可能となるなど夢が開けると結ばれています。

 世界には、いろんな方が想像もつかない研究や開発に取り組んでおられること
を改めて知るところとなりました。

 

 

 

Forever Young - Joan Baez

 

 

 

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