蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

サイバーサロン(11)  (bon)

2022-10-23 | 日々雑感、散策、旅行

 このところ連日秋らしい澄み渡る青空に心地よい風を感じています。 一昨日
(10/21)は、
園芸友の会のオンライン例会でした。  
  日程を決め打ちにしたために、お二人は旅行に、お一人は稲刈りのお手伝いと
このシーズンお三方の参加はできませんでしたが、13:50~15:20まで約1時間半の
楽しいミーティングでした。 終わった夕方、関東では天球の半分ほどにウロコ
雲が広がっていました。

 今回は、①押し花を楽しむ ②キンモクセイの不思議 の2件の発表がありまし
た。 資料は、「画面共有」で、各自画面で確認しながら、説明を聞く‥そんな
スタイルの自由なサロンが展開されました。

                  参加メンバー            
   

 

         発表のようす画面共有で・・)
         

 

 ①の「押し花を楽しむ」では、大方の人は、それなりの経験をお持ちなので、
すんなり理
解できますが、ここで紹介された押し花は、30年経っても色あせない
芸術的作品に仕上がっている美しい押し花です。先ずは作品をご覧ください。

          30年も前に作成された押し花
       

 9月に牧野富太郎生誕160年記念展で、牧野庭園に屋外例会をした折に、押し花
の話が出たのをきっかけに、今回奥様がやっておられた作品からお話を伺ったと
いうことなんです。

 植物採集を目的にした押し花は、採集後すぐに形を整え、新聞紙などに挟んで
上から押しつけてそのまま保存する方法で自然乾燥させるので、どうしても花色
は褪せてしまいます。分類などを目的とした場合、構造的記録がメインですから
花の色は犠牲にせざるを得ないわけで、花色等についての記録は細密描写で行い、
それがいわゆるボタニカル・アートへ
と発展していったと推測されます。

 で、ここで取り上げた押し花は、自然の美しい花色を保存してそれらを素材と
して用い、画面をデザインしてタブローに仕上げた作品についてその作り方など
の説明がありました。

 植物の分類学者を父に持つ、杉野俊幸氏は押し花電報の技術を開発し、それを
受け継いで「ふしぎな花倶楽部」を主宰する杉野宣雄氏が押し花作家として広く
世界に紹介したとあり、この技術によって、上記の作品が仕上げられているのだ
そうです。

 その作り方は、採集した花々は直ぐに水分を吸収する必要がありますが、花の
分厚い部分、つまり花柱、花托、子房などは除いたり、薄く削いだりして、水分
を吸収しやすくして、全体の厚さをなるべく薄くして押し花シート(水分吸収紙)
で挟み、本などの重しを置いて2~3日おく。途中必要に応じてシートを交換す
るなどして花がピンと乾燥すれば出来上がりです。これを素材としてタブローを
デザインするのです。   

 額装する場合は、額板の上にアルミシート、さらにその上に吸湿紙、そして作
品の順に置き、板の周りをレジンで囲み、ガラスとの間の空気を専用のポンプで
抜くとの手順を経て完成作品が出来上がるのです。

       他の作品例
   
   
  

 やはり、我々が昔やっていた押し花とは違い、専門的な知識に裏付けられた作
り方があるのですね。そして、額装した場合のガラスとの空間のエアを抜く‥と
いうところがミソでした。これが長期間にわたって花の色あせを防いでいるので
すね。

 続いて②の「キンモクセイの不思議」のついては、これまでも何となくそのよ
うに感じてはいましたが、改めて取り上げてみたということですね。
 一般に、桜でも、ハナミズキでも花の時期にパッと咲いておしまいで、サルス
ベリなど夏中咲いているのは、次々とそれぞれの枝に花芽が成長して、全体とし
て長い期間咲いているのですね。

 キンモクセイの場合、一度、木全体にパッと咲いて、それがきれいに散ってから
しばらくして2度目に木全体にパッと咲く、あるいは3度目があったりします。

       今年、2度目に咲いたキンモクセイ
   
       

 キンモクセイの不思議として、4つばかり指摘されていました。

1、和歌山大学の研究(2012年)によれば、『この 2~3 度咲き現象には、
1)集団内での個体ごとの開花時期のばらつきによる見た目の上での2~3度咲き
2)同一個体内での枝、花芽の着生部ごとの開花時期のばらつきによる見た目の上
 での
2~3 度咲き
3)同一箇所の花芽の着生部に複数の花芽が形成され、それらが段階的に開花する
 2~
3 度咲き
4)それらが複合された 2~3 度咲き  の 以上 4 パターンあるとありました。

 しかし、ここでのキンモクセイは、1本だけなので、(1)の集団での見た目2
~3度ではなく、花芽の着生部のばらつきでもないようです。(2)の枝ごとの開
花時点のバラツキとも考えられますが、それであれば、一度パッと咲いて、すべ
て散った後2週間ほど後にまた一斉に咲く‥という現象の説明には少々不具合があ
るようにも思います。枝ごとに同期しているのでしょうか?

2、気温が下がってくると咲き始める。
 関東と九州では約1か月くらい西日本の方が遅く咲くようです。関東でも、昔は
10月初あたりに咲くといわれていたようですが、最近では、9月下と早まっていま
す。気温が全体的に高くなっているからでしょうか。桜が南から咲き始めてくる
のに対して、キンモクセイは北から南に開花前線が移動するのです。

3、香り成分
 不思議の3つ目はキンモクセイの香りです。普通、花に香りがあるのは、虫媒花
のため
の昆虫を引き寄せるためとありますが、キンモクセイのこの良い香りはなぜ
昆虫を寄せ付
けないのでしょうか? ある種の昆虫以外ほとんどの虫に対して忌避
の香りだそうです。
芳香はギンモクセイよりも強く、香りの主成分はβ-イオノン、
リナロール、γ-デカラ
クトンなどがあり、このうち、γ-デカラクトンなどはモ
ンシロチョウなどへの忌避作用があることが判明しているそうです。
 

4、最後の不思議は、なぜ実が出来ない?
 ネットの解説には、中国から雄株だけが移入したからとありますが、それなら
この長い間に雌
株を移入することが出来たのではないか?と思うのですね。 雌
株を導入しても日本に
定着すると雄株になってしまうとの説もあるようだとあり
ありました? 
 雌株は冬にクコの実ほどの小さな実を付け、熟すと紫色になるそうです。ただ
し、本来は雌雄異株の植物であり、日本では花付きの良い雄株しか移入されてい
ないため実を結ばない。
 
日本の「キンモクセイ」は中国の「丹桂」に相当するようですが、日本の「キ
ンモクセイ」と中国の「丹桂」が本当に同一であるか、日本のキンモクセイと同
じ遺伝子を持つ丹桂が本当に中国に存在するかどうかは議論の余地があるのだそうです? 
 中国ではモクセイとその変種は桂花茶の原料として重要な栽培植物であり、品
種改良によってさまざまな品種が生み出されて大規模に栽培されている。「丹桂」
に分類されているモクセイの変種だけでも、高級桂花茶の原料として知られる大
花丹桂や朱砂丹桂を始めとして、大量の品種があるそうです。「キンモクセイは
中国ではなく日本で生み出された」という説もある。(ウイキペディアより)

 今日、全国的にキンモクセイが植えられていますが、これってすべて元は一つ
の株からの「挿し木」なんでしょうか? 不思議ですね。

              

 サロンは、テーマが2つだけだったので、質問や意見などを交えて楽しいひと時
を過ごしました。次回は、横浜のイングリッシュガーデンのバラを観に屋外例会
とするなどの話題も出て本日のお開きとなりました。

         終わった頃の南西の空です。
         

 

 

タイスの瞑想曲(ヨーヨー・マ~)

 

 

 

 

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