蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

緑内障  (bon)

2020-02-03 | 日々雑感、散策、旅行

 突然、フッと緑内障というのはなぜ“緑”なんでしょうか? そんなことが頭をよぎりまし
た。 数年前に新聞の紙面に点が書かれていて、これが正常に見えるかどうか自己チェックする
ような記事があり、確か、どこかの点が見えないような感じで、急いで眼科で精密検査を受けた
ことがありました。 結構時間をかけて検査した結果、異状なしでホッとしたのですが、その時、
新聞の図で見えない点があったことを問うと、正常でもどこか見えない部分があるので心配する
ことはないとのことでした。

 こんなことがあったのはだいぶ前のことでしたが、なぜ“緑”なのか?  白内障というのは、
友人にも手術をしてよく見えるようになったと聞きますが、こちらは水晶体が濁ってくるという
ので、昔 手術が一般的でなかった頃は、眼が白くなっている人を見かけましたが、確かに白内障
というのは“白”ですね。

 一般に、疾患や病名は、貧血、心不全、肝炎、肺炎、難聴など異状になった部位や症状の名が
含まれていて、大体どこがどのように・・ということが推測できるのが多いですが、この“緑内障”
という“緑”は、何を意味しているのでしょうか? 瞳が緑色になることではないのです。

 ネットを調べても、あまり記述がなく、たまたま目についた中に(旭川北村眼科HP)『古代ギリ
シャに「目が地中海の海の色のように青くなり、やがて失明状態になる」との記述があり、もともと
瞳の色が青い人が瞳孔が広がって濃い青に見える可能性と、もともと瞳孔の色が薄い人がやはり同じ
ように瞳孔が広がり黒い(青い)目に近くなり、目が青く見えるの両方が考えられます。』というの
がありました。

 また、会報記事(新家眞氏、東京大学名誉教授)に、難しい緑内障の解説の中に、意訳すれば
『 緑内障は、Glaucoma に対する訳語で、古代ギリシャ語のグラウコスが青緑色の意味を有している
ところから、翻訳時に緑が充てられたと考えられる。』とありました。

 病名より、その内容が肝心ですよね。 緑内障の医学的な内容については、医学書にお任せして、
ここでは、その周りについて概観してみます。
 日本では、失明の第1位に緑内障があげられています。古いデータですが、ネット画像から下図を
引用しました。

      視覚障害原因別 (ネット画像より)   
     

 図で、2013年では、緑内障が21%でトップ、白内障は5%弱で、圧倒的に緑内障が多いのですね。
そして、緑内障の年齢別(下図)を見てみますと、高齢ほど罹障率が高く、したがって高齢社会に
向かって時系列的には急激に増加傾向にあります。

        緑内障年齢別 (ネット画像より)              

                        
    

          年別推移
            (ネット画像より)

 ここで、ちょっと感覚と違った印象を受けました。 身近な感覚では、白内障を手術したとかの
人が多いように思っていたのですが、圧倒的に緑内障が多いのですね。 認識を新たにしました。
 でも、なぜこれほど感覚とズレがあるのか? 気になりましたので、年齢別の図を探しました。 
ありました。下図を見れば、なるほど、全体でみると緑内障が多いですが、白内障が年齢とともに
急増しているから、60歳を過ぎたあたりから、白内障がより身近に感じていたのかも知れません。

         

 ところで、日本での緑内障の有病率はどのくらいか、日本緑内障学会の調査で、上述の新家氏が
実行委員長として実施されたサンプル調査から、緑内障(原発開放隅角緑内障)の有病率は3.9%で、
アジア人種の1.4%の3倍弱、同白人種の2.1%の2倍弱(黒人種は4.2%)で、日本は特異的に多い
のだそうです。 しかも、このうち正常眼圧緑内障が殆どで 世界的にも一番高いのだそうです。

 なぜ、日本は緑内障の有病率が高いのか、については、極度の近視が多い、あるいはグルタミン酸
の多量接収などがあげられていますが、はっきりとした原因はわからないそうです。 不治の病なの
で、早期発見、進行を抑えるしか手立てはないとのことでした。通常、自覚症状が殆どなく見過ご
されるケースが多いとありました。 ご留意を!

 

 

 

 

 

 


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