蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

レアメタル  (bon)

2019-02-07 | 日々雑感、散策、旅行

 言葉には聞いていたし、それが希少金属であることも知ってはいましたが、普段この
ようなことには殆ど意識はしていませんでした。

 しかし、最近、身近となっている、ケイタイ、スマホやパソコンなどの情報機器、さら
には ガソリン自動車の排ガス基準を満たすなど 生活の中に広く、このレアメタルが要素
材料として使用されているのです。
 そして、これらのレアメタルは産出国が偏在していて、供給国の影響が強く左右すること、
価格変動が激しく、ハイテク製品普及などにより急激な価格高騰が起ったり不安定市場である
ばかりでなく、新しい脅威の元にもなりかねない危険性が感じられたのです。

 今年初めに届いた会報に、昨年10月頃に講演された講演記録が掲載されていました。
『レアメタル 資源の現況と活用法』(岡部徹氏、東大生産技術研教授、工博)は、講演者
岡部氏の経験談のような形で、各国の視察なども交えた内容が紹介されているのですが、大き
な流れは、冒頭に述べたような感じではないかと思うのです。

 レアメタルというのは、ニッケル、リチウム、コバルトなどの希少金属の総称をいい、これ
に対して、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどをコモンメタル(ベースメタルあるいはメジャー
メタル)といいます。昔習った、元素の周期表には、約100個の元素がありますが、そのうち
約半分の元素がレアメタルにあたるそうです。
 鉄が「産業のコメ」といわれるのに対して、レアメタルは「産業のビタミン」とも呼ばれ
ているそうです。
 

      リチウム結晶(単体では存在せず、火成岩や塩湖かん水中に多く含まれる
       (ネット画像より)

   レアメタル一覧(ネット画像より)
    

 

 元素の話なので、もとよりかなり専門的で これらレアメタルの採掘方法や精錬方法など
かなり独特のものですので、この辺りは割愛して、ネット記事などを参照しながら、レア
メタルの要点・特徴だけを抽出させていただきました。

 
  レアメタルの定義として、①埋蔵量が少なく、資源的に希少な金属(白金族、インジウム、
ガリウムなど)、②資源は豊富であるがメタルを得るのが困難な金属(チタン、シリコン、
マグネシウムなど)、③資源は豊富であるが、鉱床の品位(含有量)が低い金属(バナジウ
ムなど)と言われています。

 レアメタルは、希少金属→枯渇 というイメージがあるかもしれませんが、定義からもわか
るように、世界的に見れば レアメタルそのものが枯渇する可能性は全くないのだそうです。
 しかし、レアメタルが希少である理由は、

・地殻中の存在量が比較的少なく、採掘と精錬のコストが高い、・単体として取り出すこと
が技術的に難しい、・製錬のコストが高い などで、さらに地域的に偏在しているのです。

 地域遍在性は、もとより、目的とするレアメタルの鉱脈が偏在していることによるほか、
採掘技術未開発や 採掘処理時の環境規制の有無に起因しており、たとえば、南アフリカの
白金は、鉱石1トンからパチンコ玉1個(数g)といいますから、ほとんど1トンがゴミとし
て捨てられるそうですし、中国のレアアース鉱山では、ダイナマイトで爆破して採掘する際
にでたボタ山がいくつも散在し、これらには放射性物質が含まれているそうですが放置され
ているそうです。

   主なレアメタルの生産地域遍在性(ネット画像より)
     
       (網掛けは、上位3か国で90%以上を示します。)

 

 レアメタルの産出地は、中国・アフリカ諸国・ロシア・南北アメリカ諸国に偏在しており、
その
産地に関する特徴として、ほとんどのレアメタルが産出量上位3カ国で50%~90%の埋蔵量
を占めている・・といわれています。

  

 後先になりましたが、レアメタルは、現代の重要な製品に広く活用されていて、一例を
まとめてみますと下図のように、現代ではなくてはならない物質なんですね。

 レアメタル使用例(一部)(NEOMAGの記事より)
     

 

 更に、ネット画像に以下の図がありましたので参照しました。

   産業分野とレアメタル(ネット画像より)
    

 

 このような貴重なレアメタルは、日本ではほとんどを輸入に頼らざるを得ず、緊急時の
需要確保のために、かってのオイルショックで石油備蓄が始められましたが、これにレア
メタルも追加され、現在では、国家備蓄42日分、民間備蓄18日分、合計60日分の備蓄目標と
なっているそうです。
 そしてもう一つ、重要なこととしてリサイクルがあり、講演者は、これまで20年以上も
レアメタルのリサイクル技術の開発に注力しているとありました。その目的は、省エネや
環境保護の観点からだけでなく、レアメタルの供給バッファ(予備・余裕)を保つという
観点からだとされていました。

 しかし、リサイクルは、経済的に採算が取れずなかなか進んでいないのが現状で、ここに
リサイクル技術の開発が待たれるのと、廃車や使用済み電子機器などが量的に集められて、
効率
化されることが重要だと述べられていました。
 最後に、日本にできることは何か? ほとんどを輸入に頼っている日本として、環境性能
が良い、省エネだ・・というハイテク製品を買い替えて『環境に貢献した』と思うのではな
く、それらをとことん使い切ること、そして使用済みになった電子製品は是非、回収セン
ターに持参してほしい・・などと訴えられていました。

  *ウイキペディアに『レアメタルは、日本独自の用語であり、英語圏では「minor metal マイナーメタル」
と呼ばれるとありました。』 

  *2013年に制定された、小型家電リサイクル法は規制的な法律ではなく、各主体がそれぞれの実情に
合わせて自主的に参加していける促進法です。

 

 内容に関係ありませんが・・

 

 

 


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