蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

30年後  (bon)

2014-01-27 | 日々雑感、散策、旅行

 本棚を整理していましたら、1985.7.30付けの原稿用紙に手書きした資料が出て来ました。
今から、約30年前の資料です。 
私が(電気通信技術者の立場として)参加していました、関西の某市のプロジェクト “30年後の市の姿” 
を想定した、取り組みの基本方針案を策定する前段の会合に提出したものです。
このような公的な会合では、通常ならA4用紙に資料らしく、概要、想定機能、実現方法、スケジュールなど
項目に沿って順序良く記述するところですが、 この時はどういう訳か、全く散文的な “ものがたり” として
提出したので、メンバーの皆さんは一瞬驚かれたのを覚えています。

 当時から、30年バック・ツー・ザ・フューチャーすれば、丁度現在になりますから、まるでタイムカプセルにでも
入っていたのを取り出した形です。

 恥ずかしながら、以下にご披露しますが、全くズレているという訳でもありませんが、現時点でいえばやゝ
陳腐な感じが否めません。 そして、やはりまだ青さがいっぱいでしたから焦点が狭いのはやむを得ないと反省しています。

 前置きが長くなりましたが、羊頭狗肉の当時の資料です。

 

「未来想像図  ビルが立ち並び、緑の森も備えた普通の街並み。 商店街は賑わいを見せ、住宅地は整然とした
清潔な佇まいを呈している。 オフィス街では、どの企業もOA化、VAN化が進んでおり、ビル内電子化はもとより、
企業内、企業間VANがすでに常識的に活用されている。 それは、街なかに自由に使用できる十分な通信設備が
インフラとして整備されており、全国的な接続のためのいくつかの通信処理ノードポイントが設けられている。
そこでは、種々のコンピューター処
サービスが実施される地域全体の共用設備として完備している。
その運営形態も、一般企業体であるものの、街の諸活動に対するサービスと共に、共同利用推進を第一義とし、
市行政方針にも沿った運営を司っている。

 繁華街に出ると、さすがファッションをリードするだけあって、なかなかのセンスを匂わせた店舗がずらり。
歩いているだけで目の保養のみならず、心のときめきさえ感じさせる。 ブティックに入る。
色とりどりの商品が座り良く並べられていた。 映像端末で数ある商品から自分に合うものを選択してみる。
もちろん、手元の商品で気に入るものがあればそれでよいが、何を探すか? 何を今、自分は欲していいるのか? 
漠然とした欲求・・それがショッピング
の味わいなのだ。 
次々と商品を出してきて品選びをすれば、たちまち周りには商品の山が出来、その内心理的に妥協の心が働いてしまう。 
今直ちに必要なものなら仕方ないが、それよりむしろ、自分の気に入ったもの、近い将来ある目的があって
それに使用したい・・ そういうショッピングが増えることを想定すれば、このお店は極めて満足のゆくサービスを
していると言えよう。
色の組み合わせ、デザインの組み合わせ、自分の体型等パラメータにより一種の画像シミュレーションができた。 
店舗側からすれば、これらのデータをコンピュータ自動管理することにより、新しい商品開発のマーケティング
基礎データとすることも可能であり、さらに統合化すればファッション動向をもその変化傾向として把握することが出来よう。

 店を出て、山の手に歩いて行くと異人館に出た。 映像端末を操作すると、由緒や特徴などの説明が出て来た。
案内に従って操作を続けると 他の観光スポットが紹介された。観光ガイドブックなどでは紹介されていない
魅力あるポイントが次々と選択できる。
レストラン、飲食店の案内もしている。メニュー、料金、カード種別や店の雰囲気、場所などすべて安心できる。 
銀行ロビーや駅などのパブリックスペース、ガソリンスタンドにも同様の端末が置かれていた。

 その中のレストランの一つに行ってみた。
味もなかなかのものだが、驚いたことにテーブル横に壁掛けテレビが仕込まれており、ボタンで検索すれば
近くのホテルのショーや 提携店の生バンド演奏が映る。ナイターの実況中継も見られるようだ。(後略)」

                                     

 
 駄文をだらだらと綴り申し訳けありません。 この後は省略しますが、スタジオ、会議場、ホールなどについても
新しいメディアが取り入れられていて、パリやイタリアの街角が流れていたり、国際会議用ブースなど、
コンベンション都市として “国際情報エアポート” などといっています。
また、住民に対して行政情報が自由に公開されているとか、公共施設利用案内、催事情報、健康診断、市民講座情報、
美術館・図書館情報なども身近で、日常の必需的買い物は家庭やオフィスから行えるとしている。
さらに、郊外には若いカップルや高齢者も勤務しやすいサテライトオフィスが整備され、カルチャスタジオも完備している。
高齢者パワーの活用と社会的参加意識の充足にも言及していました。
最後に教育面にも新しいメディアが単に知識取得面ばかりでなく、人間形成、集団生活など体験指導にまで役立っている姿など・・。

 大体このような “ものがたり” を会合で説明したのでした。

 

 現在では、スマホ、タブレット、インターネット、がこのような役割を演じているようですが、このような
機材、ハードだけの話ではなく、どのような活用がなされるかとか、その内容(コンテンツ)がどのようなものであるか・・
などを暗に言いたくて散文調の資料としたように記憶しています。

 この会合から10年後に、全く予期しないあの忌まわしい大震災が起こってしまったのです。

 

駄文に長々とお付き合いをいただきましてありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 


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