蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

AYA世代  (bon)

2018-06-26 | 日々雑感、散策、旅行

 AYA世代(あやせだい)が注目されています。 

 AYA世代とは、Adolescent and Young Adult の略で、思春期・若年成人をいい、おおむね
15~39歳の男女が対象で、特にがん医療において特定されているようです。この年齢層は、
一般に、小児がんの対象となる年齢から外れており、また、成人のがん患者としては若年で
あることから、受診できる医療機関が少なかったり、公的な支援が受けにくかったりするなど
の問題があるのです。

       AYA世代
        (ネット画像より) 

 そもそもは、AYA世代は 小児から成人への移行期にあって、小児(15歳未満)に多く発生
するがんと、成人に多く発生するがんのいずれも発生する可能性がありますが、その患者数が
きわめて少ないというのです。国立がん研究センターによれば、2012年(平成24)の15~39歳
のがん罹患者数は全国で約2万人、全体の2.49%にとどまっているとあります。 したがって、
この世代のがん診療の専門家も限られており、最適かつ効果の高い治療法が十分に確立して
いないというのです。

    
     
         (30~39歳男女の罹患率は、10万人当たり91.1ということなんです。)


     


 つまり、がん医療の谷間みたいな状況ですが、AYA世代は、まだ若く進学や就職や結婚など、
人生のさまざまな転機を経て将来を歩む世代であり、治療を受けた人たちが安心して社会に
復帰出来る支援策を考えていく必要があるのです。 先日、テレビで取り上げられていました
が、この世代の人が、がんに罹っても、適切な医療機関がなかったり、相談できるところも
なく、また、公的な支援も受けられないなど、若くして途方に暮れる状況下に置かれている
のでした。 

 日本大百科全書の解説では、『 成長・発達段階で発症するがんであり、身体的な影響(
がんそのものに加え、治療に伴う生殖機能への影響、二次がんなどの晩期合併症など)、社会
的な影響(通勤や通学、就職、家族との関係、結婚や出産、経済的な負担など)をはじめと
してさまざまな課題を抱えており、多様なニーズに包括的・継続的に対応するための体制の
構築やさらなる充実が求められている。』とあります。 また、

 『 日本においては、2015年に全国に先駆けて静岡県立静岡がんセンターに「AYA世代病棟」
が 設置されるなど、この世代のがんへの支援体制が少しずつ拡充されている。 AYA世代は、
進学・就職・結婚・出産など複数のライフイベントを迎える時期でもあり、それらに関する
情報提供・相談体制の整備はいまだ十分ではないため、がん対策基本法に基づいて策定される
「がん対策推進基本計画(第3期)」では、小児がん、高齢者のがんと並び、AYA世代のがん
対策が重要な施策の一つとして位置づけられている。』と、一歩前進しているようです。

 最近では、このようにAYA世代の医療・ケアの充実が注目されてきていますが、さらに、
この世代の健康生活が損なわれる最大の要因は精神疾患であり、なかでも統合失調症の発症は
好発時期にあたるとして、東京大学医学部附属病院 精神神経科では、統合失調症、特にAYA
世代の患者に対する早期支援の臨床や研究で日本をリードしてきているとありました。
 東大では、AYA世代の統合失調症患者治療に特化した「統合失調症AYA世代センター」を、
このほど(2018.3.20)開設したとのニュースリリースが出ていました。

 

 

 

 

 

 


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