蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

麹菌  (bon)

2023-04-12 | 日々雑感、散策、旅行

 こうじきん です。 先日から、このテーマについてブログ記事にして投稿
したいと思っていましたが、麹菌や酵母、酵素などについて、これまでもいつ
も迷路に入り込んでしまって、どうも苦手な部類で、なかなか記事として手が
付かなかったのです。
 しかし、いつまでも‥というわけにも行かず、思い切って取り組んでみま
した。  チャットGPTなら簡単に即座にまとめてくれそうなテーマですが、
ここはそれに頼らずまとめてみました。

        麹菌
       (ネット画像より)

 なぜ「麹菌」なのか? それは、先月に届いた会報記事『麹菌の持つ無限
の可能性』(小泉武夫氏、東京農業大学名誉教授、発酵文化推進機構理事長)
を読んで少なからず面白いと思ったからなんです。
 ここでは、酒、味噌、醤油などの発酵食品や麹菌の工業利用などについて
書かれていて身近に起きている不思議が解明されているのです。

 記事に入る前に、これまでの「もやもや」を整理してみましたので、先ず
これから入ることとします。

 そもそも、麹菌、酵母菌、酵母とは何か? 先ず、生物界は、動物、植物
と原生生物に分類され、原生生物が高等微生物、下等微生物(細菌、スピロ
ヘータなど)とウイルス(生物と見做す場合)に分類され、高等微生物の中
には、菌類、藻類、原生動物(ゾウリムシ、ツリガネムシ、トリコモナスなど)
などがあります。そして、いま求めるものは、この菌類にあります。菌類の
うち真菌類は、純正菌類と藻状菌類に分かれ、後者の藻状菌類には毛カビ、
クモノスカビなどがあり、純正菌類には、マツタケやシイタケが区分されて
いますが、この麹菌はさらに細かく分岐して真正子嚢菌に属する糸状菌だと
あります。

 随分深い分類の中にありますが、この麹菌の大きさは0.15㎜程度で肉眼で
見える大きさだそうです。そしてその形状は図のように「じょうろ」のような
形をしているのです。このじょうろはアスペルギルスと呼ばれ、最も有名な
麹菌はアスペルギルス・オリゼー すなわち「黄麹菌」「ニホンコウジカビ」
で、日本酒、焼酎、味噌、醤油、甘酒、味醂、米酢が作られているのです。

     コウジカビの構造模式図
       (ウイキペディアより)

 

 麹菌は、日本、中国、東南アジアなどの国にありますが、日本酒など多くの
発酵食品をつくる「黄麹菌」は日本にしか生息していない、そして泡盛をつ
くる「黒麹菌」は沖縄にしか生息しないとあります。焼酎も黒麹菌で作られ
ます。

 これら日本の麹菌は米で作られますが、中国、やその他のアジアでは、麦
やコーリャンを原料としとしてクモノスカビを植え付けた「餅麹」が使われ
ています。紹興酒、老酒などです。

           (ネット画像より)

 麹は、米、麦、豆などの穀物に糸状菌、かびが生えたものすべてを指します
が、713年にはすでにその存在は確認されていたようです。蒸した米を神棚に
供えておいたらそこにビが生えそれを「カムタチ」→「カウチ」→「コウジ」と
呼んだそうです。「麹」という漢字は、奈良時代初期に唐から伝来したとあ
りますが、その後中国では「麹」ではなく「曲」というそうです。で、日本
では麹は米から作るのになぜ麦篇の「麹」を使うのか?ということから江戸
末期には「糀」という漢字を作ったとあります。

         麹
         (ネット画像より

 

 醤油は工事を使って作られますが、これには「穀醤(こくびしお)」「魚醤」
「草醤」「肉醤」の4種類が奈良時代にはあったそうです。 穀醤は、小麦や
大豆の醤油で現在ありますが、魚醤は、秋田の「しょっつる」石川の「いしる」
などがあります。草、肉の醤油は今はないそうです。

 味噌はどうか? 味噌も奈良時代からあったそうです。で、味噌は、米味噌、
麦みそ、豆味噌がありますが、いずれも大豆で出来ており、米味噌は大豆に
米麹をかけて発酵させたもので、麦みそは、麦麹、豆味噌は豆麹を大豆にかけ
て発酵させたものなんですね。

 黒酢は、米麹(黄麹菌)を蒸した玄米に入れて作るそうです。 また鰹節
も「鰹節菌」という麹菌を使って作るそうです。

         (ネット画像より

 麹菌の工業利用についても述べられていましたので簡単にご紹介します。 
麹菌は様々な栄養源を菌体内に取り込み、菌体外には様々な酵素を分泌します。
この酵素が強力な分解力を持っているので、酵素製剤として利用されています。
 澱粉を分解してブドウ糖をつくるので製糖工場や醸造産業に、たんぱく質を
分解してアミノ酸をつくるのでこのうまみ成分を食品産業に利用し、酵素入り
洗剤にも利用されています。この他にも活用されている例がありました。

 麹菌や麹そのものを食べることもあります。繊維質が多い中に高分子化合物
があり腸を活性化する効果があるそうです。 米麹にお湯を加えると甘酒に
なります。甘酒は、ビタミン類やその他の栄養素が豊富な飲み物で「飲む点滴」
とありました。

              

 それで、麹菌と酵母菌と酵素の違いは何か? 整理しておきます。
 麹菌と酵母菌はともに微生物でいろんな穀類に生えるカビであるのに対して、
酵素は、生物ではなくその実態はたんぱく質で、様々な化学反応の触媒となる
たんぱく質なのだそうです。

 麹菌とは、コウジカビというカビの一種で、食べ物をやわらかくする酵素
を出す。また、麹菌はでんぷんをブドウ糖にたんぱく質をアミノ酸に分解する
働きがあります。麹菌を米や豆や麦につけたものがです。

 酵母菌とは、別名イースト菌と言われる微生物(半子嚢菌類=麹菌より上の
分類、真菌類)の一種で、日本酒の他パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母が
あり、糖をアルコールと炭酸ガスに分解するはたらきをします。

 なお、日本酒用酵母については、日本醸造協会により、酒質の安定向上の
ために優れた特徴を持つ酵母を培養し、酒蔵向けに頒布しており、これを
「きょうかい酵母」と呼び 多くの日本酒は、このきょうかい酵母を使って作
られているとあります。

 発酵とは、微生物(乳酸菌、麹菌、酵母など)のはたらきによって有機物
が分解変化する状態をいい、発酵食品や農業用肥料の製造に用いられています。

 微生物の仲間には、麹菌や酵母の他、乳酸菌、納豆菌,酢酸菌などがあり、
いわゆる漬物やキムチなどは乳酸発酵ですし、煮大豆に納豆菌を加えて納豆
ができるのですね。ただ、漬物の中には、浅漬け、千枚漬け、松前漬けなど
発酵を伴わないものもあります。

            

 ウイキペディアに『微生物は人類の生活や人類が暮らす自然環境の維持に、
直接的・間接的に古来深い関わりを持っている。一部の微生物がヒトに対して
病原体として作用したり、食物を腐敗させるたりする半面で、有用な働きも
している。』とあり、いろいろとありましたが、これを締めくくりとします。

 (少しスッキリとしましたが、まだ完全には・・もう少し時を置いて復習
してみます。)

 

 

NOVA - Garota De Ipanema (Girl From Ipanema) Jobim/Moraes

 

 

 

コメント
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