奈良市法華寺町に大和三門跡に数えられ、品格ある尼寺として知られている光明宗寺院「法華寺」はある。創建は天平17年(745)、東大寺が総国分寺、法華寺が総国分尼寺(法華滅罪之寺)、法華寺門跡となされように創建当初(天平時代から)から1250年以上続く由緒ある寺院である。本尊は国宝の十一面観音である。境内には切妻造、本瓦葺の四脚門「南大門」、正面に慶長6年(1601)再興の「本堂」、右に入母屋造りの「鐘楼堂」、本堂左に杜若で有名な「名勝庭園」と「慈光殿」、右に「護摩堂」、「横笛堂」、100本の椿、法華寺蓮など約750種の花木・草花がある「華楽園」、本堂裏手に「光月亭」がある。また法華寺に伝わる「お守り犬」もある。皇族や公家の方たちの入寺されたお寺「門跡」の名に相応しい格式高き寺院であった。(1704)
奈良市登大路町に平城京の宮城である大内裏があった「平城宮跡」はある。平城宮跡は唐の長安を模して造営された平城京の中枢施設があった所で、佐紀路の南側に広がる東西1.3km、南北1kmの広大な跡地には「大極殿基壇」、「南面大垣」、「朱雀門」、「東院庭園」等が復元されている。中でも一際目を惹くのが平城京の正門となる高さ22mもある「朱雀門」である。朱色の大きな柱に囲まれた「大極殿」には天皇の着座する玉座が再現されている。まるで奈良時代にタイムスリップしたかのような雅な空間には大宮人の息吹が聞こえてきそうである。(1704)