川崎市多摩区登戸に浄土真宗本願寺派寺院「永池山長念寺」はある。創建は室町時代後期(大永2年=1522)法泉坊大徳により築かれた草庵が興りである。江戸時代初期に領主の中根壱岐守正盛の奥方秀月禅尼によって中興。本尊は阿弥陀如来。向丘遊園駅より稲荷山光明寺~丸山教本庁を過ぎた数百メートル先に静寂な寺域を形成している。嘉永7年(1854)上棟の四脚門の「山門」を抜けると正面に文政7年(1824)建造の寄棟造の茅葺「本堂」(昭和34年=1959改修)、右に本堂と同時期に建造の寄棟造・茅葺の「庫裏」川崎市重要歴史記念物に指定されている江戸時代の建物が整然と見事に配されている。「本堂」前には二本の「大銀杏」、山門の左手に「鐘楼」がある。同寺には県指定文化財の「鳥合わせ図屏風」、市重要歴史記念物「阿弥陀如来立像」、「秀月禅尼画像」も有しており今も脈々と500年の寺歴が刻まれている。(1901)










