本能に任せて唄うと意味不明の音痴な唄となりまわりに不快感を与えてしまうにもかかわらず吟遊詩人になると宣言し挫折して作詞家を目指している専門学校生で、1つ違いの妹から侮られ罵られ続け、「友人」からは裏切られたかられてきたシオリが、スーツケース型核爆弾をもたされてどうしたかという小説。
普通なら、人生を誤りいじめられ続け周囲に恨みを持つ主人公が、復讐に核爆弾を使うかどうかで葛藤するという展開になりそうです。しかし、シオリはそういう考えにも至らず、最後まで性善説的に行動するところが、切ない。核爆弾を持たされたことも、究極のいじめに見えてきます。
そのシオリの姿を、友人が、シオリの果たせなかった吟遊詩人のような語りで伝えるラストがしみじみと感じられます。
携帯サイトでの連載だそうで、文章は読みやすく、スッと入ってきます。
前半存在感の強かった妹のノゾミがどうなったか書かれていないのがちょっと心残りですけどね。
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阿部和重 朝日新聞社 2006年11月30日発行
普通なら、人生を誤りいじめられ続け周囲に恨みを持つ主人公が、復讐に核爆弾を使うかどうかで葛藤するという展開になりそうです。しかし、シオリはそういう考えにも至らず、最後まで性善説的に行動するところが、切ない。核爆弾を持たされたことも、究極のいじめに見えてきます。
そのシオリの姿を、友人が、シオリの果たせなかった吟遊詩人のような語りで伝えるラストがしみじみと感じられます。
携帯サイトでの連載だそうで、文章は読みやすく、スッと入ってきます。
前半存在感の強かった妹のノゾミがどうなったか書かれていないのがちょっと心残りですけどね。
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阿部和重 朝日新聞社 2006年11月30日発行