伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

蒼路の旅人

2006-12-26 00:32:09 | 物語・ファンタジー・SF
 タルシュ帝国に屈したサンガル王国の仕掛けた罠と新ヨゴ皇国内の王族の抗争からサンガルに向かい捕らえられたチャグムが、タルシュ帝国内で新ヨゴ皇国征服を主導するラウル王子とその下にいながら複雑な思いを持つヨゴ出身の密偵ヒュウゴの間で帝国の実力と内情を知り、新ヨゴ皇国が民とともに生きのびるため悩み、チャグムを利用しようとする勢力に従う様子を見せつつ、逃走を選ぶまでを描いたファンタジー。
 守り人・旅人シリーズの中では比較的単純に国家間、王族内の抗争と陰謀を中心に進めていて、ストーリー展開はおもしろいけど少し深みに欠けるように感じました。ラストシーンも完結せずに、天と地の守り人に続くという形になっています。
 また、この作品では、しっかり者の女性は海賊船の頭セナだけと言ってよく、守り人・旅人シリーズでは珍しいほど男中心の展開になっています。
 話の位置づけとしては、虚空の旅人→蒼路の旅人→天と地の守り人と続く展開の中にしっかり位置づけられてはいるのですが、ちょっと異色な感じです。


上橋菜穂子 偕成社 2005年5月発行
コメント
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