伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

身近な“液体”Q&A

2006-12-22 19:43:13 | 自然科学・工学系
 飲食品や医療、農業、生活等で水が関連することがらについてのQ&A100問。
 著者は液体の清澄化、つまり精製技術に関する団体ですが、必ずしもそのことと関係ない項目が多くなっています。木綿豆腐は布でこして作るけど絹ごし豆腐はこさないとか。
 やかんの内側に付く白色の固体は、炭酸カルシウムが温度が高くなるほど溶けにくい性質を持つので火の当たる部分で過飽和になって析出する(62~63頁)とか、海が青く見えるのは水が赤色付近の光をよく吸収するからだが、不純物がごく少ないと光が散乱しないから黒く見える(黒潮は不純物が少ないから黒く見える。202~203頁)とか、勉強になりました。


日本液体清澄化技術工業会編 工業調査会 2006年11月25日発行
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偽ブランド狂騒曲 なぜ消費者は嘘を買うのか

2006-12-22 01:22:46 | 実用書・ビジネス書
 ブランドと偽造・コピー商品をめぐるメーカー・デザイナー側と消費者側の論理や行動などをあれこれ論じた本。

 著者の姿勢は、読んでいて今ひとつよくわかりません。偽造商品の購入は犯罪者集団に資金提供することになるかのように論じてみたり、そうでもないように論じてみたり、偽ブランドは本当に悪いのかと問題提起してみたり、偽ブランドに手を出す人は(ファッションに関する限り)高いブランド品は買わないのだからブランドに被害を与えていないのではと論じてみたり。
 サブタイトルの「なぜ消費者は嘘を買うのか」にストレートに答えているようにも思えません(偽ブランドの品質もよくなってきているとか、とんでもなく高いブランド品より安くてそこそこもつ偽ブランドの方が魅力的とか、本で読まなくてもわかりきったことは時々出てきますが)。

 アメリカやヨーロッパの高級ブランド企業は極東(特に日本)でブランド・ロイヤルティを育むことに成功した、自国の市場では顧客のロイヤルティの多くを失ってきたという指摘(70~71頁)は、欧米の高級ブランドをいまだにありがたがっているのは日本人だけと読めます。
 また、1980年代のサッチャー主義がよくいえば「懸命に働いて自力で成功すれば欲しいものは何でも手に入る」悪くいえば「他社のアイディアを盗んでなぜ悪い、ぼろ儲けできるならいいじゃないか」となり、自分さえよければという風潮となって偽造マーケットを成長させたという指摘(147~151頁)は、へ~~っと思いました。私はもちろんサッチャー主義とかきらいですけど、そこまでは思ってませんでしたけどね。


原題:The Fake Factor : Why We Love Brands but Buy Fakes
サラ・マッカートニー 訳:浦谷計子
ダイヤモンド社 2006年10月26日発行 (原書は2005年)
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