イギリス(カナダもあるけど)と日本の湖沼・川や山・森を舞台に著者がカヤック(組み立て式の小舟)「ボイジャー」とともにあるいは歩いて旅しながらの情景と思いをつづったエッセイ。
水辺や森の風景の描写が美しく、眺めの瑞々しさや靄や風なんかをふと感じ、心洗われる思いがします。できれば少しゆったりとした読書環境で読みたかったような・・・。湖沼や森の生物へのいとおしさ、旅と孤独への思い。さらにはそこに紛れ込ませた自然と人生への洞察も、うるさくなく染みてきます。
全体が「水辺」をキーワードにしているので、連載の単行本化にありがちなバラバラ感もあまりなく仕上がっています。
ただ、日本の地名になると唐突に「B湖」とか「S湖」とかの白々しい仮名表記がなされるのが、せっかくの美しい文章の中で目障りに思えました。
梨木香歩 筑摩書房 2006年11月20日発行
水辺や森の風景の描写が美しく、眺めの瑞々しさや靄や風なんかをふと感じ、心洗われる思いがします。できれば少しゆったりとした読書環境で読みたかったような・・・。湖沼や森の生物へのいとおしさ、旅と孤独への思い。さらにはそこに紛れ込ませた自然と人生への洞察も、うるさくなく染みてきます。
全体が「水辺」をキーワードにしているので、連載の単行本化にありがちなバラバラ感もあまりなく仕上がっています。
ただ、日本の地名になると唐突に「B湖」とか「S湖」とかの白々しい仮名表記がなされるのが、せっかくの美しい文章の中で目障りに思えました。
梨木香歩 筑摩書房 2006年11月20日発行