劇団毛皮族を主宰する作者の、たぶん自伝的な、小説。
最後にフィクションと断られてはいますが、主人公の名前が重信ジュリ(作者はジュンリーと呼ばれているそうです)、主人公の主宰する劇団が「毛布教」、スター女優の名前が港乃マリー(毛皮族の主演女優は町田マリーというそうです)という具合では、自伝的小説と読むしかないでしょうね。
文体も、本職の作家でないせいでしょうか、小説というより手記っぽいし。
それ以外の登場人物の名前のつけ方はかなり投げやり。どうでもいい男子・堂出本伊井也(18頁)とか、そういうネーミングを見ただけで作者の意欲とセンスを疑ってしまいます。
お話は、主人公が劇団の女優ら身近な女性に次から次へと恋愛感情を持ち肉体関係(レズの)を持ち、その人間関係のこじれと劇団の盛衰・経済的逼迫が延々と語られています。
それが今ひとつストーリーとしてまとまらないまま、エピソードとして積み重ねられ、なんとなく締まらないままに終わっています。
そういう点からも、劇団と作者自体に興味のある読者がどこまでが事実だろうという好奇心で読むための読み物なのでしょう。純然たる小説として読むには相当辛いと、私は感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
江本純子 リトルモア 2006年8月10日発行
最後にフィクションと断られてはいますが、主人公の名前が重信ジュリ(作者はジュンリーと呼ばれているそうです)、主人公の主宰する劇団が「毛布教」、スター女優の名前が港乃マリー(毛皮族の主演女優は町田マリーというそうです)という具合では、自伝的小説と読むしかないでしょうね。
文体も、本職の作家でないせいでしょうか、小説というより手記っぽいし。
それ以外の登場人物の名前のつけ方はかなり投げやり。どうでもいい男子・堂出本伊井也(18頁)とか、そういうネーミングを見ただけで作者の意欲とセンスを疑ってしまいます。
お話は、主人公が劇団の女優ら身近な女性に次から次へと恋愛感情を持ち肉体関係(レズの)を持ち、その人間関係のこじれと劇団の盛衰・経済的逼迫が延々と語られています。
それが今ひとつストーリーとしてまとまらないまま、エピソードとして積み重ねられ、なんとなく締まらないままに終わっています。
そういう点からも、劇団と作者自体に興味のある読者がどこまでが事実だろうという好奇心で読むための読み物なのでしょう。純然たる小説として読むには相当辛いと、私は感じました。
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江本純子 リトルモア 2006年8月10日発行