新井素子の80年代初期の中編を中心にしたSF短編集。
読書日記をつけるようになってから短編集はほとんど読んでいないのですが(感想が書きにくいから・・・)、一世を風靡したサラサラ読める文体を今読んだらどう感じるかという興味が先に立って読んでみました。今では、軽い流れるような文体がエンタメ系小説のスタンダードですから、それになれた読者にはもちろん違和感はありません。でも。文が短い。今の標準で見ても。どうやったらこんなに短くできるの。ってくらい。
小説としてのできはやっぱり「グリーン・レクイエム」ですが、「ネプチューン」の23世紀のまがまがしい茶色の海という設定がノスタルジーを感じさせました。私と同い年の作者は、小中学生時代を4大公害裁判や田子の浦のヘドロの報道を見ながら過ごしたはず。子どもの頃、科学が明るい未来を保証してくれるなんて思えませんでしたものね。別にその頃の延長で原発裁判やってる訳じゃないですが。
それにしても、80年代初期ですから、学生時代にこんなの書いたんですね。近年の芥川賞の低年齢受賞よりすごい気がします。
新井素子 出版芸術社 2007年2月20日発行
読書日記をつけるようになってから短編集はほとんど読んでいないのですが(感想が書きにくいから・・・)、一世を風靡したサラサラ読める文体を今読んだらどう感じるかという興味が先に立って読んでみました。今では、軽い流れるような文体がエンタメ系小説のスタンダードですから、それになれた読者にはもちろん違和感はありません。でも。文が短い。今の標準で見ても。どうやったらこんなに短くできるの。ってくらい。
小説としてのできはやっぱり「グリーン・レクイエム」ですが、「ネプチューン」の23世紀のまがまがしい茶色の海という設定がノスタルジーを感じさせました。私と同い年の作者は、小中学生時代を4大公害裁判や田子の浦のヘドロの報道を見ながら過ごしたはず。子どもの頃、科学が明るい未来を保証してくれるなんて思えませんでしたものね。別にその頃の延長で原発裁判やってる訳じゃないですが。
それにしても、80年代初期ですから、学生時代にこんなの書いたんですね。近年の芥川賞の低年齢受賞よりすごい気がします。
新井素子 出版芸術社 2007年2月20日発行