内気で口べただけど料理の腕は天才的なブルーノの、天性の味覚と美術センスを持つ尻軽の美人学生ローラとの恋を描いたロマンティック(舞台がローマだし・・・)グルメ小説。
ブルーノが親友トマーゾの頼みでローラを口説くためにトマーゾの代わりに料理を作りそれをトマーゾの腕とセンスと信じたローラがトマーゾに溺れていくのをアンビバレントな気持ちで眺める前半、ブルーノはまるで聖人のよう。自分にはこんなことはできないなと思わせます。トマーゾとの友情とローラへの募る思いに悩み、嘘がばれてローラに嫌われ、トマーゾともけんかして傷心して都落ちするあたりから、たぶんほとんどの読者はブルーノファンになって読むと思います。そして、ブルーノが田舎で出会った天才料理人ベネデッタのかっこいいこと。知恵としたたかさとそして気っぷのよさに惚れ込んでしまいます。ここまでくると、お話としては行き先が見え、そうしないとストーリーとして成り立たないのはわかるんですが、ブルーノの立場に共感する読者からは、自信を与えてくれたベネデッタと別れるのは間違いだと強く思います。私ならローマになんか帰らない。どう見たってローラなんぞよりベネデッタの方が魅力的だと思うんです。
まあ、ストーリーは読んでれば誰でも予想できるエンディングに突き進みますが、分厚さと意外性のない展開のわりには最後まで飽きずに読めました。
原題:The Food of Love
アンソニー・カペラ 訳:鹿田昌美
ヴィレッジブックス 2006年12月20日発行 (原書は2004年)
ブルーノが親友トマーゾの頼みでローラを口説くためにトマーゾの代わりに料理を作りそれをトマーゾの腕とセンスと信じたローラがトマーゾに溺れていくのをアンビバレントな気持ちで眺める前半、ブルーノはまるで聖人のよう。自分にはこんなことはできないなと思わせます。トマーゾとの友情とローラへの募る思いに悩み、嘘がばれてローラに嫌われ、トマーゾともけんかして傷心して都落ちするあたりから、たぶんほとんどの読者はブルーノファンになって読むと思います。そして、ブルーノが田舎で出会った天才料理人ベネデッタのかっこいいこと。知恵としたたかさとそして気っぷのよさに惚れ込んでしまいます。ここまでくると、お話としては行き先が見え、そうしないとストーリーとして成り立たないのはわかるんですが、ブルーノの立場に共感する読者からは、自信を与えてくれたベネデッタと別れるのは間違いだと強く思います。私ならローマになんか帰らない。どう見たってローラなんぞよりベネデッタの方が魅力的だと思うんです。
まあ、ストーリーは読んでれば誰でも予想できるエンディングに突き進みますが、分厚さと意外性のない展開のわりには最後まで飽きずに読めました。
原題:The Food of Love
アンソニー・カペラ 訳:鹿田昌美
ヴィレッジブックス 2006年12月20日発行 (原書は2004年)