伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

アパルーサの決闘

2007-07-14 08:38:32 | 小説
 無法者の牧場主が牛耳る町アパルーサにやってきた流れ者の保安官2人組の闘いを描いたウェスタン小説。
 超人的に速いガンマンだがときとして傍若無人になる保安官ヴァージル・コール、飄々としていて女好きだが腕のいいコールの助手エヴェレット・ヒッチ、コールを虜にした悪女アリソン・フレンチらの人物造形がよくできています。コールが単純な正義でもなく、流れ者で生きてきながらアリーに夢中になり定着しようとする心理の動きも出てくるあたりや、アリーの悪女ぶりとそれでもアリーを捨てられないコールのもどかしさ・陰影が、物語に深みを持たせています。
 ラストはちょっとほろ苦く、ちょっと渋めのウェスタンになっています。


原題:APPALOOSA
ロバート・B・パーカー 訳:山本博
早川書房 2007年6月15日発行 (原書は2005年)
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「現代病」ドライマウスを治す

2007-07-14 00:47:08 | 自然科学・工学系
 口の中が乾く口腔乾燥症についての本。
 唾液の分泌が減少することでドライマウスになるわけですが、その原因はいろいろなものがあるようです。薬の副作用による場合が相当あり(88~99頁)、安易に薬を出す医療の問題も指摘されています。
 唾液には消化作用、殺菌作用、粘膜保護作用、粘膜修復作用、歯の保護・再石灰化作用があるそうです(45~54頁)。消化、殺菌、再石灰化はよく読みますが、粘膜関係の話は知りませんでした。まあ、口の中の傷は治りが早いということは経験的にわかりますが。唾液の分泌を促進することが老化の防止にも役立つということで、ドライマウスの治療が体の様々な機能にも影響するのだそうです。ビタミンCとか、錠剤で飲むよりもガムの形で噛む方が吸収率がいい(170~171頁)というのも知りませんでした。ドライマウスそのものよりも唾液や口の粘膜の話が勉強になりました。


斎藤一郎 講談社+α新書 2007年5月21日発行
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