伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ホーム・メディカ 虫歯・歯周病

2007-08-03 18:47:51 | 実用書・ビジネス書
 虫歯・歯周病についての一般向け解説書。
 虫歯も歯周病もバイオフィルム(歯垢が厚くなってその中で菌が増殖して膜を作ったもの)の中で細菌が活動することによる感染症という位置づけで、対症療法では治らない、原因をなくすことが大切という視点で書かれています。
 むしろ歯科治療がまたむし歯の原因になることもなんて書かれています。定期的なプロによる器械的な歯の清掃(バイオフィルムの除去)と薬剤による虫歯菌除去で原因を除去できる、だから定期的に歯科医に通いましょうっていうのが、この本の結論。
 新たな治療法の開拓に基づく記述なんでしょうけど、外野から見ていると、昔風の歯医者に行ってちゃダメ、新しい技術を持った歯医者に歯が痛くなる前から定期的に通いましょうって営業の話に聞こえ、歯医者さんも競争が激しくなってるんですねえって感想を持ちます。


花田信弘、井田亮、野邑浩美 2007年6月25日発行 小学館
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海賊ジョリーの冒険3 深海の支配者

2007-08-03 08:09:46 | 物語・ファンタジー・SF
 水上を歩き水中でも呼吸できる「ミズスマシ」の少女ジョリーが大渦潮(マールシュトローム)の攻撃から海上都市エレニウムの人々を守るために闘う物語の完結編。
 原作は2004年に3部作で完結していましたが、日本語訳は3年がかりで1冊ずつ出版されてようやく完結です。2巻はこのブログでは2006年9月10日の記事で紹介しています。
 3巻では最初から最後までエレニウムの攻防戦と「大渦潮」攻略で、血なまぐさい戦闘シーンと海中での心理戦が続き、私はちょっと疲れました。
 多くの大いなる存在ないし強大な力が数々の思惑を持って対峙する構成で、後半になるほど関係が複雑化していき、世界・正義は単純じゃないというメッセージが繰り返される感じです。ジョリーに近い大いなる存在(「神」ではなく創造主の手にならずしてこの世界に生まれたものだそうですが)「水の機織り女」が最後に謎解き役を務めます(346~353頁)が、それもどこか、真実は自分で考えよという突き放しも感じます。
 そういうあたりかなり抽象的・哲学的なテーマも感じますが、他方「大渦潮」がいじめ被害者の恨みから生まれたという設定はちょっと全体のスケールと違和感がありますし、後半はジョリーとグリフィン、ソールダッドとウォーカーのラブストーリーに収斂するのも、哲学的なテーマとはあわないような感じがしました。読み物的にはラブストーリー的なまとめはいいんですが・・・


原題:Die Wasserweber
カイ・マイヤー 訳:遠山明子
あすなろ書房 2007年7月30日発行 (原書は2004年)
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