伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

タラ・ダンカン4 ドラゴンの裏切り 上下

2007-08-18 17:05:25 | 物語・ファンタジー・SF
 別世界のオモワ帝国の世継ぎで強い魔力を持つ14歳の少女タラ・ダンカンが、別世界とは「移動の門」で接続されている地球でタラの友人ロバンらの襲撃事件やストーンヘンジをめぐる陰謀に巻き込まれるファンタジー。
 かつて悪魔とドラゴンの戦いで妻を殺されたドラゴンが、今は「煉獄」に住む悪魔たちへの復讐を計画し、遺伝子操作により魔術力を強めた魔術師を利用して、その魔力を吸い取って増幅する兵器として製造したストーンヘンジに追い込んで、悪魔の世界と地球を破壊するという陰謀を軸に、オモワ帝国内の権力闘争、ダンカン家の過去がからんできます。
 4巻で、タラの異常に強い魔力がドラゴンによる遺伝子操作によることが明らかにされ、その操作に積極・消極に関わってきた人々とタラ・タラの友人たちとの人間関係の機微が物語を少し深めています。
 4巻も3巻と同様にストーリー展開のテンポが通常のファンタジーレベルに減速されており、1巻、2巻に比べると私にはずいぶんと読みやすくなっています。
 2003年スタートの魔法使い物ですから、当然ハリー・ポッターとの類似性が問われますが、4巻では、イギリスで魔法使いだと知らされた14歳の少年に「ぼくは魔法が使えるって言ったよね。ハリー・ポッターみたいに?」(下12~13頁)なんてあっけらかんと言わせています。友人のファブリスが魔法の力を強めようとしているのには「ダース・ベイダーみたいじゃない?妻パドメへの愛ゆえにってわけね!」(上213頁)なんて言ったりしますし。このあたり作者にも楽しむ余裕ができたってところでしょうか。


原題:TARA DUNCAN , LE DRAGON RENEGAT
ソフィー・オドゥワン=マミコニアン 訳:山本知子
メディアファクトリー 2007年8月3日発行 (原書は2006年)

3巻についてはこのブログでは2006年8月20日の記事で紹介
コメント
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