中年になっても暴走族風で喧嘩っ早いスナック経営者が、離婚した元妻が癌で入院することになって、小6の娘を預かり、田舎町の商店街や不良たちをめぐる騒動の中で6年間離ればなれだった娘との関係を深めていく小説。
登場人物の多くが不良・ヤンキー系で、喧嘩っ早く、娘は最初はそこに嫌悪感を持つのですが、次第になじんでいき、嫌っていた父親にも共感を示していきます。
基本的には父親の視点からの文章と、娘の視点からの文章が交互に進行していきます。そのあたりの父と娘の思いで読ませるお話です。どこかぎこちない、とげとげした思いから、照れながらも素直な情愛へと移って行く気持ちの変化が味わい深く読めました。
個人的には同じ年頃の娘を持つだけに少女の自立心、不安、素直さなどの表現に感じ入りました。
芥川賞受賞後第1作ですが、あまり芥川賞っぽくなく、そこそこコミカルで読みやすい、落ち着きのいい作品だと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en2.gif)
伊藤たかみ 文藝春秋 2008年1月30日発行
「別冊文藝春秋」2006年9月号~2007年9月号
登場人物の多くが不良・ヤンキー系で、喧嘩っ早く、娘は最初はそこに嫌悪感を持つのですが、次第になじんでいき、嫌っていた父親にも共感を示していきます。
基本的には父親の視点からの文章と、娘の視点からの文章が交互に進行していきます。そのあたりの父と娘の思いで読ませるお話です。どこかぎこちない、とげとげした思いから、照れながらも素直な情愛へと移って行く気持ちの変化が味わい深く読めました。
個人的には同じ年頃の娘を持つだけに少女の自立心、不安、素直さなどの表現に感じ入りました。
芥川賞受賞後第1作ですが、あまり芥川賞っぽくなく、そこそこコミカルで読みやすい、落ち着きのいい作品だと思います。
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伊藤たかみ 文藝春秋 2008年1月30日発行
「別冊文藝春秋」2006年9月号~2007年9月号