美術史において19世紀後半に起こった絵画の改革運動として位置づけられる印象主義の主だった画家たちについての解説本。
印象派は、ルノワール、モネ、セザンヌなどの日本で人気の高い画家たちを代表とし、現代(当時)の生活場面を主な主題として、ほとんどの場合屋外の光の下の構図でその光を意識した明るい色彩を用いた作品で知られます。普通の人が、絵画として思い浮かべるときに最初に想起されるのがこういうタイプの絵というか、ストレートにルノワール作品だったりしますから、改革運動といってもピンと来ないでしょう。当時の絵がサロンを中心として発表され、歴史画、宗教画が主流で当然に荘厳な重々しいタッチで描かれていたからこそ、「印象派」の絵が改革的で既存の画壇から軽蔑されたわけですね。
印象派とされる画家たちの絵には、実はそれほどの共通点はありません。著者も「要するに、印象派と呼ばれる画家たちをひとつに結びつけていたのは、因習にはまりこんでいた絵画技法を革新したいという熱望と、世界をまったく新しい目で見たいという強い意志であった。」(13~14頁)としています。ある意味で改革派であるが故に一緒くたにされた感じ。その改革に意味がなくなった現代からはまとめて扱うこと自体ちょっと苦しい感じです。
本としては運動の流れと各画家の動き・去就の解説ですので、超有名な作品を除き絵の解説はほとんどありません。美術史的な興味がないと薄いわりに読むのがつらいかも。
マリナ・フェレッティ 訳:武藤剛史
文庫クセジュ 2008年2月5日発行 (原書は2004年)
印象派は、ルノワール、モネ、セザンヌなどの日本で人気の高い画家たちを代表とし、現代(当時)の生活場面を主な主題として、ほとんどの場合屋外の光の下の構図でその光を意識した明るい色彩を用いた作品で知られます。普通の人が、絵画として思い浮かべるときに最初に想起されるのがこういうタイプの絵というか、ストレートにルノワール作品だったりしますから、改革運動といってもピンと来ないでしょう。当時の絵がサロンを中心として発表され、歴史画、宗教画が主流で当然に荘厳な重々しいタッチで描かれていたからこそ、「印象派」の絵が改革的で既存の画壇から軽蔑されたわけですね。
印象派とされる画家たちの絵には、実はそれほどの共通点はありません。著者も「要するに、印象派と呼ばれる画家たちをひとつに結びつけていたのは、因習にはまりこんでいた絵画技法を革新したいという熱望と、世界をまったく新しい目で見たいという強い意志であった。」(13~14頁)としています。ある意味で改革派であるが故に一緒くたにされた感じ。その改革に意味がなくなった現代からはまとめて扱うこと自体ちょっと苦しい感じです。
本としては運動の流れと各画家の動き・去就の解説ですので、超有名な作品を除き絵の解説はほとんどありません。美術史的な興味がないと薄いわりに読むのがつらいかも。
マリナ・フェレッティ 訳:武藤剛史
文庫クセジュ 2008年2月5日発行 (原書は2004年)