オペラ「ドン・ジョバンニ」の公演に、出演者として、興行側として、観客として集まる人々のそれぞれの愛の形を描いた小説。
様々な人の、放埒だったり純情だったりする恋愛の進行のエピソードが、並行して、細切れだったりしばらく続いて語られたりして進んでいくので、最初のうち戸惑います。特に最初に登場した可南子とおじいちゃんは、主人公かと思ったらその後出て来ないし、序盤で初めて2章にわたって登場する春香と太田も長らく放置されるし。連載で書いているうちに計画が変わったのかなとも思いますけど。
群像劇なんだと捉えて読んでいくと、後半の公演に関係者が収斂していって、公演が終わってそこを通り過ぎていく形が危なげなく押さえられているのがわかります。それぞれの行く末も、含みがあっていいなと思いました。
島田雅彦 講談社 2007年10月22日発行
「婦人画報」2006年1月号~2006年12月号
様々な人の、放埒だったり純情だったりする恋愛の進行のエピソードが、並行して、細切れだったりしばらく続いて語られたりして進んでいくので、最初のうち戸惑います。特に最初に登場した可南子とおじいちゃんは、主人公かと思ったらその後出て来ないし、序盤で初めて2章にわたって登場する春香と太田も長らく放置されるし。連載で書いているうちに計画が変わったのかなとも思いますけど。
群像劇なんだと捉えて読んでいくと、後半の公演に関係者が収斂していって、公演が終わってそこを通り過ぎていく形が危なげなく押さえられているのがわかります。それぞれの行く末も、含みがあっていいなと思いました。
島田雅彦 講談社 2007年10月22日発行
「婦人画報」2006年1月号~2006年12月号