最近、社員間の会話が少なく自分の仕事だけを抱え込んで困っても協力し合わずギスギスとした職場が増えているということをテーマに、その原因と対策を論じた本。
原因の方は、要するに企業が効率化のために導入した成果主義が各社員の業務・責任範囲を明確にしたために自分の業績となる範囲以外は手を出さなくなり、福利厚生の削減で社員旅行その他の機会が失われて社員間の多面的な交流が失われ協力のベースになる人間関係も協力しないと悪評が立つ人間関係も希薄になり、それに加えて派遣やアウトソーシングで社員以外の者が増えてますます人間関係が希薄になり、終身雇用はおろか長期雇用さえ危ないために会社全体のために貢献しようというインセンティブが失われたということ。つまり企業がこの間利益第一のためにやりたい放題のリストラをやり非正規雇用化を進め、福利厚生を削って成果主義で労働者を締め付けたツケが回ってきたという、まあ自業自得の話。
でも、著者の多くがコンサルタントですから、対策の方は、企業にそれをやめなさいとはいわずに、目標や価値観の共有化、提案や発言しやすい雰囲気作り、社員が参加する気になる(面白い)社内交流活動、感謝と感動を伝えあうといった、精神論が中心となっています。組織の問題であり社員のせいにしてはいけないと何カ所か書かれてはいるんですが、結局は、本来企業の強欲さが生んだ問題をその根本原因には触らずに社員の気分を変えて(そらせて)解決しようという経営者サイドの都合を重視した本のように私には思えました。

高橋克徳、河合太助、永田稔、渡部幹 講談社現代新書 2008年1月20日発行
原因の方は、要するに企業が効率化のために導入した成果主義が各社員の業務・責任範囲を明確にしたために自分の業績となる範囲以外は手を出さなくなり、福利厚生の削減で社員旅行その他の機会が失われて社員間の多面的な交流が失われ協力のベースになる人間関係も協力しないと悪評が立つ人間関係も希薄になり、それに加えて派遣やアウトソーシングで社員以外の者が増えてますます人間関係が希薄になり、終身雇用はおろか長期雇用さえ危ないために会社全体のために貢献しようというインセンティブが失われたということ。つまり企業がこの間利益第一のためにやりたい放題のリストラをやり非正規雇用化を進め、福利厚生を削って成果主義で労働者を締め付けたツケが回ってきたという、まあ自業自得の話。
でも、著者の多くがコンサルタントですから、対策の方は、企業にそれをやめなさいとはいわずに、目標や価値観の共有化、提案や発言しやすい雰囲気作り、社員が参加する気になる(面白い)社内交流活動、感謝と感動を伝えあうといった、精神論が中心となっています。組織の問題であり社員のせいにしてはいけないと何カ所か書かれてはいるんですが、結局は、本来企業の強欲さが生んだ問題をその根本原因には触らずに社員の気分を変えて(そらせて)解決しようという経営者サイドの都合を重視した本のように私には思えました。

高橋克徳、河合太助、永田稔、渡部幹 講談社現代新書 2008年1月20日発行