「住宅ジャーナリスト」の著者が、欠陥/手抜き工事問題をはじめとするマンション購入のリスク、今後の住宅事情を考えると賃貸マンションの供給過剰等により賃借料の低下・マンション価格の大幅な下落が予測されることなどを理由に、今新築マンションを購入することへの注意を喚起する本。
施工ゼネコンの子会社であることが多いマンション管理会社が、欠陥工事が発覚した場合に、施工ミスを認めずに有償の追加工事を提案し、抗議する管理組合やマンション購入者に対し「あまり問題を大きくすると、このマンションで欠陥工事があったなどという、あらぬ噂が世間に広がります。そうなれば、資産価値に悪い影響が出ますよ。みなさんの大切なお住まいの査定価格が下がってもいいのですか?」という必殺の決めゼリフで抑え込むというエピソード(26~29ページ)、手抜き工事をしても大手ゼネコンは「優秀な弁護団を擁して」いずれも住民側が敗訴というエピソード(31ページ)、やはりそうかと思います。大企業のやりたい放題と、それを支える企業側弁護士の暗躍は腹立たしい限りですが。
著者が勧めるマンション選びで、新築ではなく築10年あたりのマンションを選ぶ、その理由は築10年たって不具合が露見しないマンションは工事の精度が高いことが多くその後20年、30年しっかりした状態が保全されることが多いから、そして不具合が露見していないかは、マンション管理組合の総会議事録過去10年分を閲覧する、問題があれば総会で議論になっているはずだし、管理費の決算が赤字かどうかで管理費の滞納が多くないか、管理会社の言いなりか(管理費の水増し請求も)などがわかる(186~195ページ)というのは、なるほどと思います。

榊淳司 洋泉社新書 2016年3月18日発行
施工ゼネコンの子会社であることが多いマンション管理会社が、欠陥工事が発覚した場合に、施工ミスを認めずに有償の追加工事を提案し、抗議する管理組合やマンション購入者に対し「あまり問題を大きくすると、このマンションで欠陥工事があったなどという、あらぬ噂が世間に広がります。そうなれば、資産価値に悪い影響が出ますよ。みなさんの大切なお住まいの査定価格が下がってもいいのですか?」という必殺の決めゼリフで抑え込むというエピソード(26~29ページ)、手抜き工事をしても大手ゼネコンは「優秀な弁護団を擁して」いずれも住民側が敗訴というエピソード(31ページ)、やはりそうかと思います。大企業のやりたい放題と、それを支える企業側弁護士の暗躍は腹立たしい限りですが。
著者が勧めるマンション選びで、新築ではなく築10年あたりのマンションを選ぶ、その理由は築10年たって不具合が露見しないマンションは工事の精度が高いことが多くその後20年、30年しっかりした状態が保全されることが多いから、そして不具合が露見していないかは、マンション管理組合の総会議事録過去10年分を閲覧する、問題があれば総会で議論になっているはずだし、管理費の決算が赤字かどうかで管理費の滞納が多くないか、管理会社の言いなりか(管理費の水増し請求も)などがわかる(186~195ページ)というのは、なるほどと思います。

榊淳司 洋泉社新書 2016年3月18日発行