著者が建築家を目指したきっかけ、学生時代に考え学んだこと、これまでの経験やそこから建築について考えることなどを語った本。
小学生の頃に丹下健三の国立代々木競技場に憧れて建築家になろうと思った(18~19ページ)著者が、当時とは時代が変わったとは言え、コルビュジエの国立西洋美術館にはガッカリさせられた(25ページ:実は、私も、みなさんが褒める国立西洋美術館の建物、どこがいいのかわからないなぁとかねがね思っていましたけど)とか、高1のとき大阪万博で見た丹下健三のお祭り広場は大きな工場のような退屈で殺風景な空間だった(58ページ)とか思い、安い素材で「低い」とか「小さい」を意識していくというというあたりが、読み物として面白く思えました。
「プレゼンテーションで一番大事なのは、相手を引き込み、のせてしまうような強力なタマがあることです。それさえあればリスクつぶしは後からいくらでもできます」(91ページ)というのは、忘れがちですが、大切なことだと思います。
建築家の仕事は、ある意味で相手を説得する仕事ですと、著者は何度か語っています(44~45ページ、200~201ページ等)。クライアントを説得してOKをもらう、近隣の住民に説明して説得する、そういう場では、相手から逃げずに、相手と正面から向きあって、堂々と、正直に説得することが大事だといいます。同じように、依頼者の人生がかかった場で、人を説得することを生業としている者として、そこはそのとおりだなと思います。説得する主な相手が、裁判官なのか、依頼者なのかというところは、弁護士によって、あるいは事件によって変わってくることにもなりますし、その説得のためのテクニックはちょっと違ってくるかも知れませんが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en2.gif)
隈研吾 河出書房新社 2021年2月28日発行
「14歳の世渡り術」シリーズ
小学生の頃に丹下健三の国立代々木競技場に憧れて建築家になろうと思った(18~19ページ)著者が、当時とは時代が変わったとは言え、コルビュジエの国立西洋美術館にはガッカリさせられた(25ページ:実は、私も、みなさんが褒める国立西洋美術館の建物、どこがいいのかわからないなぁとかねがね思っていましたけど)とか、高1のとき大阪万博で見た丹下健三のお祭り広場は大きな工場のような退屈で殺風景な空間だった(58ページ)とか思い、安い素材で「低い」とか「小さい」を意識していくというというあたりが、読み物として面白く思えました。
「プレゼンテーションで一番大事なのは、相手を引き込み、のせてしまうような強力なタマがあることです。それさえあればリスクつぶしは後からいくらでもできます」(91ページ)というのは、忘れがちですが、大切なことだと思います。
建築家の仕事は、ある意味で相手を説得する仕事ですと、著者は何度か語っています(44~45ページ、200~201ページ等)。クライアントを説得してOKをもらう、近隣の住民に説明して説得する、そういう場では、相手から逃げずに、相手と正面から向きあって、堂々と、正直に説得することが大事だといいます。同じように、依頼者の人生がかかった場で、人を説得することを生業としている者として、そこはそのとおりだなと思います。説得する主な相手が、裁判官なのか、依頼者なのかというところは、弁護士によって、あるいは事件によって変わってくることにもなりますし、その説得のためのテクニックはちょっと違ってくるかも知れませんが。
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隈研吾 河出書房新社 2021年2月28日発行
「14歳の世渡り術」シリーズ