インターネットの掲示板やSNS等で誹謗中傷されたときの削除要請や発信者情報開示を弁護士が行うために必要な知識を、手続の各段階ごとに、相手方ごとに詳しく解説した本。
ほとんど手取り足取りに思えるくらい親切で丁寧な説明に感心します。しかし…
法律の規定や、手続の一般論を知っているということと、現実にその手続を経験していること、さらにはそれに熟練し長けていることとはまったく違うということを改めて実感しました。外国法人を相手にすることになるというだけでもどれほどの面倒くささがあるか、その上で2チャンネルとかGoogleとかの傲慢さと闘うとなると、本当にたいへんだなぁと思う。発信者情報開示も相手により技術的な点でも細かい差異があり、相手ごとにさまざまなノウハウがある上、それも時の流れによりどんどん変わっていくことが、この本でも読み取れます。事情の変化に対応すべく初版発行から3年ごとに新たな版が出されているのですが、この第4版が出版されてまだ1年でも、その後に発信者情報開示命令という新たな手続が開始されたり、twitter社が消滅して運営会社は謎の会社(X Corp.というのだそうですが、2023年4月時点で詳細発表なし)に変わっているわで、例えば今 twitter での名誉毀損とかに対応しようとしたら自分でさらに調べないといけないことになります。こういう本を読んでしまうと、こういう事件を受ける羽目になったら詳しい実務書と首っ引きでないとやれないと思うし、そしてこの本でさえ現時点では対応できていないことがあるなどと知ってしまうと、たぶん、あぁそういう事件はもっと詳しい人にお願いしてと言ってしまうと思う。
法律知識、法律実務の知識の勉強になったと言うよりも、自分がこういう分野について知らないということ、知らないということは怖いことだなということを再確認したという思いです。
中澤佑一 中央経済社 2022年4月10日発行(初版は2013年11月)
ほとんど手取り足取りに思えるくらい親切で丁寧な説明に感心します。しかし…
法律の規定や、手続の一般論を知っているということと、現実にその手続を経験していること、さらにはそれに熟練し長けていることとはまったく違うということを改めて実感しました。外国法人を相手にすることになるというだけでもどれほどの面倒くささがあるか、その上で2チャンネルとかGoogleとかの傲慢さと闘うとなると、本当にたいへんだなぁと思う。発信者情報開示も相手により技術的な点でも細かい差異があり、相手ごとにさまざまなノウハウがある上、それも時の流れによりどんどん変わっていくことが、この本でも読み取れます。事情の変化に対応すべく初版発行から3年ごとに新たな版が出されているのですが、この第4版が出版されてまだ1年でも、その後に発信者情報開示命令という新たな手続が開始されたり、twitter社が消滅して運営会社は謎の会社(X Corp.というのだそうですが、2023年4月時点で詳細発表なし)に変わっているわで、例えば今 twitter での名誉毀損とかに対応しようとしたら自分でさらに調べないといけないことになります。こういう本を読んでしまうと、こういう事件を受ける羽目になったら詳しい実務書と首っ引きでないとやれないと思うし、そしてこの本でさえ現時点では対応できていないことがあるなどと知ってしまうと、たぶん、あぁそういう事件はもっと詳しい人にお願いしてと言ってしまうと思う。
法律知識、法律実務の知識の勉強になったと言うよりも、自分がこういう分野について知らないということ、知らないということは怖いことだなということを再確認したという思いです。
中澤佑一 中央経済社 2022年4月10日発行(初版は2013年11月)