築100年の3階建ての古いビルで4代目の祖父がオーダーメイドの靴店「往来堂」を営み、土地開発会社から繰り返し売却を求められて頑として拒否し続ける中、4代目の孫の中学2年生の木村夏希が、5代目と期待されていたのに突然出て行った兄を恨みながら、地味な靴にはなじめずもっとカラフルで個性的なデザインの靴を作ってみたいと夢想しつつ、自分が家業を継ぐことには迷いを持つ様子を描いた小説。
前半は、主人公が「マエストロ」と呼ぶ祖父の靴職人としての仕事ぶりや職人気質を通して、オーダーメイドシューズの制作工程やオーダーメイドシューズの良さなどを紹介し、後半は、本来は半年や1年かけてオーダーメイドシューズを制作している祖父らが急を要する事態に創意工夫と努力の末に応じる展開をさせています。
青春小説としてオーソドックスな展開とラストですが、プロローグから予想した展開にはならず、ラストから見るとあのプロローグは何のためにあったのかとも思い、その点に不完全燃焼感があります。
タイトルは、戦前からある「靴ノ往来堂」の2段右からの横書き看板を左から読んだ小学生の言葉から。奇をてらった感はありますが、中高生向きの読み物ですから…
佐藤まどか あすなろ書房 2023年4月30日発行
前半は、主人公が「マエストロ」と呼ぶ祖父の靴職人としての仕事ぶりや職人気質を通して、オーダーメイドシューズの制作工程やオーダーメイドシューズの良さなどを紹介し、後半は、本来は半年や1年かけてオーダーメイドシューズを制作している祖父らが急を要する事態に創意工夫と努力の末に応じる展開をさせています。
青春小説としてオーソドックスな展開とラストですが、プロローグから予想した展開にはならず、ラストから見るとあのプロローグは何のためにあったのかとも思い、その点に不完全燃焼感があります。
タイトルは、戦前からある「靴ノ往来堂」の2段右からの横書き看板を左から読んだ小学生の言葉から。奇をてらった感はありますが、中高生向きの読み物ですから…
佐藤まどか あすなろ書房 2023年4月30日発行