11月6日、師匠が遷化しました。曹洞宗では、住職の逝去を遷化(せんげ)と言います。
今日は密葬と荼毘(火葬)でした。
会話ができなくなってからは数年経ち、2ヶ月前に入院してからはほとんど眠った状態でしたので、いつかはこの日が来ると覚悟はしていましたが、やはり肉体が消えるというのは寂しいですね。
父は、3歳を前にして父親を亡くしてから、苦労の少年時代を余儀なくされました。
縁あって10歳で寺に入り、住職として50年以上務めてきました。後半生はたくさんの皆様との出会いのお陰で穏やかな人生を送ることができたと思います。
姉と私の姉弟が子どもの頃、生意気なことやわがままなことを言うと、「明日死んでみせる」と言うのが酒を飲んだときの口癖でした。
「お前たちは、親のいない苦しみを知らないからそんなわがままなことを言えるんだ」と言いたかったのだと思います。
言葉に反して、80歳まで生きてくれたことは、子どもにとっては大変ありがたいことでした。そのために、子どもは未だにわがままのままかもしれません。
本葬は初七日に当たる12日に執り行います。
ようやく親を失った人々の寂しさが分かる仲間入りができます。