なあむ

やどかり和尚の考えたこと

雲水道中記ー永平寺から最上へー 10

2009年11月22日 22時22分34秒 | 雲水道中記

永平寺町松岡の天龍寺住職は、当時永平寺の講師をされていた笹川浩仙老師で、自身も出家の時四国八十八ヵ所の霊場を歩いて回ったという経験があることから、私が歩いて帰るという話を聞いて、是非うちに寄って行きなさいと言ってくれたのでした。
永平寺の山門を出てからわずか2時間あまりの行程でしたが、今日の行脚はここで終了し、天龍寺さんにお世話になることにしました。
歩くための格好は整えましたが、心構えやら作法などは全く知りもせず考えもしませんでしたから、天龍寺さんに教えてもらったことは本当に参考になりました。
寺を訪ねたときの口上の述べ方、御開山拝登の仕方、寝具の始末、御手洗いの掃除の作法、等々、知らなければ恥をかくような事柄を教えていただき、拝登金や線香筒なども用意していただきました。
Image104062822443081 3月18日。
天龍寺さんの毎月の行事である市内托鉢に参加させていただいた。
あいにくの吹雪で、冷え込む一日だったが、かえって、大きな声でお経を読むと体が温まると言うことを知って、いい経験になった。
草鞋も、雨の日はわざと素足に草鞋を履く、いわゆる「素草鞋」がいいのだと聞いた。
足袋を履いたまま足が濡れると体温を奪ってしまい、体には良くないという経験談を聞いたのだ。
結局、天龍寺さんには2泊させてもらい、お世話になった。出発するときには寺内のみんなで見送りしてくれ、応援してもらった。
3月19日、本当の意味での出発。