なあむ

やどかり和尚の考えたこと

雲水道中記ー永平寺から最上へー 12

2009年11月25日 14時43分37秒 | 雲水道中記

3月20日。
7時30分きむら屋出発。
Wet008 北潟湖畔を歩く。ほどなく福井県を越えて石川県へ。
連休のために車が多い。排気ガスを吸って喉が痛くなった。
日本の道は歩くためにできていない。
犬が吠える。変な格好なのは分かるが、すべての犬が吠えなくともよさそうなものだ。
道ばたの小川で小さな子が二人遊んでいた。
一人の子が私に気づき、変な格好に驚いた様子でもう一人に教えようとするのだが、もう一人は遊びに夢中で私に気づかない。
ようやく気がついて、二人で顔を見合わせながらも小さな手を合わせて合掌してくれた。
さすが仏国土。お坊さんに手を合わせることを大人の姿を見て学んでいるのだろう。
かわいく、ありがたい。
加賀を越えたところで休憩。
トイレも借りたいので喫茶店で休む。
「これから先に泊めてくれるようなところはないでしょうか」と訪ねると、店の人と常連客が「どこまで行くの」と聞くから、「山形まで」と答えると、「それは無理だ」。全部を歩いていくのは絶対無理だから、車に乗せてもらえるときは乗せてもらった方がいいよ、とアドバイス。
「この人金沢まで行くから乗せてもらいなよ」と紹介してくれた。「そうかなあ」と思いながらも、親切な皆さんに押し切られて、お言葉に甘えることに。
金沢着。
ビジネスホテル泊。
これまで永平寺上山の時と同じ出で立ちで歩いてきたが、荷物が多すぎて歩くのに大変だと感じた。特に、袈裟行李と振り分け荷物を肩の前後にして歩くのは歩きにくい。
極力荷物を整理して、袈裟行李と頭陀袋を両肩に襷にかけてみると歩きやすそうだ。余った荷物は松林寺に送ってしまった。
ホテルのコインランドリーで下着を洗濯した。
松林寺に電話を入れた。
「4月○日に寺の役員会があるからそれまでに帰ってこい」と言う。
「今、修行として歩いているのであって、役員会のために帰るというような気はない」と電話を切ってしまった。
心配だから早く帰って欲しいという意味だったのだろうが、せっかくの意欲に水をかけられたような気がして腹が立ってしまった。
芦原温泉~加賀の先まで 19㎞。