Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

書店で眼についた本

2017年11月17日 21時33分08秒 | 読書
 久しぶりに横浜駅まで往復、有隣堂と家電量販店で情報収集。平凡社ライブラリーの「新版 吉本隆明 1968」(鹿島茂)、「其角と楽しむ江戸俳句」(伴藤一利)、「日本の無国籍者」(井戸まさえ、岩波新書)、「出羽三山」(岩鼻道明、岩波新書)、「アウグスティヌス」(川合康三、岩波新書)をめくって惹かれたが、お金も時間も限られているのでまずは断念。

 帰りはいつもの内科で高血圧の薬を処方してもらい、神奈川大学の生協経由で歩いて帰宅。注文しておいた「『快楽の園』を読む」(神原正明、講談社学術文庫)を受け取った。
 はたして読み切れるだろうか。とても心配である。どちらかというと衝動買いに近い。


銀杏散る

2017年11月17日 10時21分44秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 11月の半ばを過ぎた。12月の声も近づきどこか慌ただしくなりつつある。もっとも私の場合はいつも落ち着きがなく、気ぜわしい。
 前にも記載したが、今年は久しぶりに一年の過ぎるのが早く感じた。自分と周囲で生起するさまざまなことに振り回された感がなくもない。自分の好きなことだけをしていればきっと心的な時間の流れはゆっくりなのだろう。振り回されるという感情がどこかにあるとすれば、心的な時間の流れは速くなるのではないか。そんなことを考える年末となった。

★銀杏散る万巻の書の頁より         有馬朗人
★黄落期すれ違う人なきところまで      庄司たけし


 立冬を過ぎて季節は「冬」ではあるが、周囲の様相は紅葉した葉が散り始めた時期。晩秋ともいえる。秋から冬への移行期。
 第1句、読書の秋に相応しくふと開けた古い本の間から黄葉した銀杏の葉が舞い落ちたのであろうか。舞い落ちなくとも挟まっていただけで十分に情感がある。作者が若い時にしおりがわりに使ったのか、万巻の書だから図書館の本に誰かが忍ばせたのか。虫よけにもなる銀杏の葉、静かに眠っていた著者の声が蓋を開けたときのオルゴールのようによみがえる。ちょっと若々し過ぎる句と受け取るか、老境に入った感慨とするか。
 第2句、少しの風でたくさんの葉が舞い落ちる径をひとりあるいはふたりだけで歩きたいもの。舞い落ちる葉とは対照的に歩く人の心は、静かに沈んでいく。