本日の午後は思い切って横浜美術館で「ヌード展-英国テート・コレクションより」を見てきた。今年に入ってから忙しさに押しつぶされるようになっていて、清宮清文典、熊谷守一展、ルドン展以来の美術展である。もう少し頭が十何になってから行こうと思っていたが、会期があと一カ月となり、少し慌てた。
展示構成は、
1.物語とヌード 2.親密な眼差し
3.モダン・ヌード 4.エロティック・ヌード
5.レアリスムとシュルレアリスム 6.肉体を捉える筆触
7.身体の政治性 8.儚き身体
という8部構成である。
ホームページには次のような解説が記されている。
ヌード――人間にとって最も身近といえるこのテーマに、西洋の芸術家たちは絶えず向き合い、挑み続けてきました。美の象徴として、愛の表現として、また内面を映しだす表象として、ヌードはいつの時代においても永遠のテーマとしてあり続け、ときに批判や論争の対象にもなりました。
本展は、世界屈指の西洋近現代美術コレクションを誇る英国テートの所蔵作品により、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで、西洋美術の200年にわたる裸体表現の歴史を紐ときます。フレデリック・ロード・レイトンが神話を題材として描いた理想化された裸体から、ボナールらの室内の親密なヌード、男女の愛を永遠にとどめたロダンの大理石彫刻《接吻》[日本初公開]やシュルレアリスムの裸体表現、人間の真実に肉迫するフランシス・ベーコン、さらにはバークレー・L・ヘンドリックスやシンディ・シャーマンなど、現代における身体の解釈をとおして、ヌードをめぐる表現がいかに時代とともに変化し、また芸術表現としてどのような意味をもちうるのか、絵画、彫刻、版画、写真など約130点でたどります。
2016年のオーストラリアを皮切りにニュージーランド、韓国へと国際巡回する本展。待望の日本上陸です。
さらに見どころとして、
1. テーマは「ヌード」。西洋の芸術家たちの挑戦の軌跡を追う。
「ヌード」は西洋の芸術家たちが絶えず向き合ってきた永遠のテーマです。しかし、「ヌード」をテーマにした大規模な展覧会は前例が少なく、挑戦的な試みです。本展は、この難しいテーマに意欲的に取り組み、ヴィクトリア朝から現代までのヌードの歴史を辿ります。
2. 近現代美術の殿堂、英国テートからヌードの傑作が集結。
1897年の開館以来、世界屈指の近現代美術コレクションと先進的な活動で常に美術界をリードしてきたテート。その至高の作品群よりヌードを主題とした作品が集結します。ロダンの大理石彫刻《接吻》をはじめ、ターナーが描いた貴重なヌード作品や、マティス、ピカソ、ホックニーなど19 世紀後半から現代まで、それぞれの時代を代表する芸術家たちの作品が出品されます。
3. ロダンの大理石彫刻《接吻》が日本初公開!
ロダンの代表作であり、男女の愛を永遠にとどめた《接吻》。情熱に満ち、惹かれ合うふたりの純粋な姿が、甘美な輝きに包まれています。「恋愛こそ生命の花です」*、こう語るロダンにとって、愛することは生きることそのものであり、また制作の原点であったといえるでしょう。ブロンズ像で広く知られる《接吻》ですが、高さ180センチ余りのスケールで制作された迫力の大理石像は世界にわずか3体限り。そのうちの一体がついに日本初公開です。
*高村光太郎訳『ロダンの言葉抄』より
と些細されている。
本日はまずは展示全体を見ることに主眼を置いて回った。いくつか印象に残った作品を挙げると、
・フレデリック・レイトンの「プシュケの水浴」(1890)
・ハモ・ソーニクロフトの「テウクロス」(1881)
・グウェン・ジョンの「裸の少女」(1909-10)
・クリストファー・リチャード・ウィン・ネヴィンソンの「モンパルナスのアトリエ」
・ピエール・ボナールの「浴室」(1925)
・アンリ・マティスの「布をまとう裸婦」(1936)
・パブロ・ピカソの「エッチング 156シリーズ」(1971)
・フランシス・グリュベールの「ヨブ」(1944)
などなど。
個別の感想は後日アップ予定。