「青嵐」は5月ごろの青葉の季節に吹く強い南風。「あおあらし」と訓読みにする。
★荒磯や月うちあげて青あらし 大島蓼太
★濃き墨のかわきやすさよ青嵐 橋本多佳子
★うごかざる一点がわれ青嵐 石田郷子
第1句、大島蓼太(1718-1787)は蕪村の頃の江戸の人であるが、作者を見ずにこの句を見たら、現代の人はロケットの発射の情景でも思い浮かべるのではないか。現に私も先ほどおやっと思って慌てた。現代人は「打ち上げる」と聞くと条件反射でロケットを思い出してしまう。
月が荒い波から少し上ったところを、浪、あるいは青嵐の強い風が月を「打ちあげ」たと表現したのだろうが、江戸時代にそのような表現があったのだろうかと首をひねってしまった。 青嵐と色のついた季語を使ったとしたら、「打ちあげて」なので、この月は日の出の直前の下弦の月だと解釈できる。
第2句、この青嵐、湿度が高いとは感じない。確かに乾き易い風であるが、書に親しむ俳人の確かな感覚だと感じた。
★荒磯や月うちあげて青あらし 大島蓼太
★濃き墨のかわきやすさよ青嵐 橋本多佳子
★うごかざる一点がわれ青嵐 石田郷子
第1句、大島蓼太(1718-1787)は蕪村の頃の江戸の人であるが、作者を見ずにこの句を見たら、現代の人はロケットの発射の情景でも思い浮かべるのではないか。現に私も先ほどおやっと思って慌てた。現代人は「打ち上げる」と聞くと条件反射でロケットを思い出してしまう。
月が荒い波から少し上ったところを、浪、あるいは青嵐の強い風が月を「打ちあげ」たと表現したのだろうが、江戸時代にそのような表現があったのだろうかと首をひねってしまった。 青嵐と色のついた季語を使ったとしたら、「打ちあげて」なので、この月は日の出の直前の下弦の月だと解釈できる。
第2句、この青嵐、湿度が高いとは感じない。確かに乾き易い風であるが、書に親しむ俳人の確かな感覚だと感じた。