★新聞に切り抜きの窓夏休み 伊藤通明
★峡の子の栗鼠を飼ひつつ夏休み 加藤楸邨
私が夏休みの宿題ではじめて新聞の切り抜きをしたのが小学校の5年生の多分1962年だったと思う。確か、新聞で世界の国の記事を毎日最低一つ切り抜いて、その記事の国を白図に落とすことだったと思う。結構楽しくこなしたと思う。毎日5個以上の記事を切り抜き、スクラップ帳に貼り付けるのである。記事毎に、日付と番号を点けて白地図に書き込んだ。毎日できるだけ多くの国を選んで楽しんだ。
おかげで西ヨーロッパはもとより、アフリカ・アジア・東ヨーロッパ・南北アメリカの国々を頭に入れることができた。なかなか面白い宿題だと思った。記事の内容までは今はとても覚えていないが、当時はアフリカ諸国の独立でいろいろな動きがあったと思う。また米ソの人工衛星の打ちあげ合戦で、アメリカのテルスター、ソビエト・ロシアのヴォストークの話題があったと記憶している。キューバ危機については記憶にない。ロシアの方が宇宙開発でリードしていた時期である。
今思うと世界に目を向けさせる宿題であった。どんん教科書だったかはまるで記憶にないのだが、この宿題のことはよく覚えている。
しかしクラスではいちばん記事の数は多かったのだが、教師からは褒めてもらえなかった。口を聞かなくなっていた教師だったので、私の方は気にならなかった。楽しくやり切ったという満足感はあった。