今週見た映画で不思議なことが起こった。日本映画「接吻」と韓国映画「ブレス」はくしくも死刑囚との愛の物語。それぞれ相関することもあり興味深い。
また「山のあなた」(これは先週見た)と「丘を越えて」は同じく昭和初期の時代設定で、戦争突入前の一瞬だけ明るかった時代の話。
たまたまこの4作を最近見たので、何か偶然とはいえ面白かった。
特に僕はギドクの熱狂的なファンなのでもう見られるというだけで心が騒ぐ。 . . . 本文を読む
ギドクの新作。それだけで心浮き立つ映画心。これだけは本当の映画ファンでないと分からないであろう、、。
映像への入り方、漂うリズム、集中力、シンプルなテーマ、一つ一つが僕の感性に合っている。彼の映画のテーマは考えたらほとんどいつも同じなのだが、それでも繰り返し見てしまう。その映画作家性と共に、生きている感触というか、瞬時の営みがとても愛おしく感じられ、見入ってしまうのだ。
ハナシは夫の浮気で自分 . . . 本文を読む
菊池寛を取り巻く人間像から、また昭和初期という古き良き時代へのオマージュから昭和が遠い過去になっていることを強く実感させられる作品だ。
しかし、CGがらみの映像、モボ・モガの衣装だけで遠くなった昭和を描ききれるものでもなく、本来そこには昭和の時代を生きた菊池寛らの生きた血と肉が映像に投影されていなくてはならないはずであります。
例えば、文学における芸術至上主義と大衆との兼ね合いが劇途中で論じら . . . 本文を読む
面白い映画であることよ。ハナシはそこらに転がっているものではないけれど、あっしには関係ないと無視できるものでもない。異端の、異端中の話ではあるけれど、人間が生きていくうえで気になる問題に触れていることは明らかだ。
まず、男。鍵の開いている家を探し一家殺戮を果たす。家庭の主婦を殺す。家に潜み学校帰りの女の子を殺す。さらに夕方まで滞在し仕事で疲れた夫を殺す。すべて無造作に後ろポケットに携えた金槌で無 . . . 本文を読む