菊池寛を取り巻く人間像から、また昭和初期という古き良き時代へのオマージュから昭和が遠い過去になっていることを強く実感させられる作品だ。
しかし、CGがらみの映像、モボ・モガの衣装だけで遠くなった昭和を描ききれるものでもなく、本来そこには昭和の時代を生きた菊池寛らの生きた血と肉が映像に投影されていなくてはならないはずであります。
例えば、文学における芸術至上主義と大衆との兼ね合いが劇途中で論じられるが、僕らには漱石批判そのものに驚愕してしまう。唐突なのである。意見も浅いのである。また、女性秘書の二股関係も何だかいくら昭和初期のハナシだとしても、芸者の身売り的なイメージがして通俗的でいかにも締まらないハナシだ。
前作「火火」が恐ろしく執念がこもっていた作品だったのに比べ、昭和というものを振り返ろうとするテーマには、かなりのパンチ力不足だと言わねばならないのではないか。俳優陣の的確な演技をもってしてもそれは達成出来なかったと言える。
次作に期待したい。
しかし、CGがらみの映像、モボ・モガの衣装だけで遠くなった昭和を描ききれるものでもなく、本来そこには昭和の時代を生きた菊池寛らの生きた血と肉が映像に投影されていなくてはならないはずであります。
例えば、文学における芸術至上主義と大衆との兼ね合いが劇途中で論じられるが、僕らには漱石批判そのものに驚愕してしまう。唐突なのである。意見も浅いのである。また、女性秘書の二股関係も何だかいくら昭和初期のハナシだとしても、芸者の身売り的なイメージがして通俗的でいかにも締まらないハナシだ。
前作「火火」が恐ろしく執念がこもっていた作品だったのに比べ、昭和というものを振り返ろうとするテーマには、かなりのパンチ力不足だと言わねばならないのではないか。俳優陣の的確な演技をもってしてもそれは達成出来なかったと言える。
次作に期待したい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます