昔だったらゴマンとあった貧乏映画が現代では逆光のようにまばゆいから不思議です。東亜優が現実を静かに受け入れていく姿勢が感動を呼ぶのかなあ。
対照的にその現実を呪いただ逃避している兄に対してそれさえ受け入れていく少女。不思議な優しいおばさんが新興宗教のただのゼニゲバだったり、世の中の悪臭を一手引き受けざるを得ない生活の中で、彼女はただ生き続ける。
少女にとって安心できる巣である文化住宅は相変わら . . . 本文を読む
400頁そこそこの長編なんだけれど大半読み終わってもミステリーって感じしないんだよね。この世界はまるで伊坂幸太郎です。社会から隔絶されている人間たちが寄り添って生きていくそして過去の仕打ちに復讐することで一心同体になる。
ほとんど道尾の本は読んでいるけれどこれほどミステリーから離れているのも珍しいと若干フラストレーション気味になっている自分に気づく。あれ、いよいよ道尾も普通小説を書くようになって . . . 本文を読む