成瀬巳喜男の作品から昭和30年代を眺めている。映画の中には入っているけれども評論といった形は取っていなし。
だから、結構成瀬作品でありながら、辛辣なことも文章になっている。素直な言い方だ。褒めちぎることは全くない。むしろけないしていることのほうが多い。
それは映画評論ではないから、当然かもしれないが今や消えてしまっている生活感覚が主眼の書きものなのである。言葉づかいも平成では全く使われなかったも . . . 本文を読む
2時間半の長時間であったが、結構長く感じる合間もないまま登場人物が飛び交っている。戦後63年もたてば戦後なんて言葉も死語だろうという立脚点からこの演劇は成り立っている。
防空壕を60年ぶりに発見するといった冒頭からさまざまな戦争感がいぶりだされるが、言葉を抑えていたせいか、静かな反戦ドラマだと思えた。戦争のことを私たちは忘れることなく、後世代に伝えようとする作者の意図は我々観客に十分伝わっている。 . . . 本文を読む
12/1
明日は東京で朝から会議をするので休みを利用して前日に昼過ぎに羽田に到着する。今日は夜に友人たちと飲み会だ。時間があるので、六本木に出た。
簡単に食事をして「六本木シネマート」へ。ここは韓国映画を結構やっているところだ。1,2回来たことがある。
夜の会場が六本木なのでここで時間をつぶすことにしたのだ。時間的に映画を2本見ることにした。「最強☆彼女」、「ファムファタール」。前者のクァク・ジェ . . . 本文を読む
心の震えを久々に感じ取ることの出来た秀作だ。いじめというものを本質的な視点からフォーカスをしっかりと絞り、切り取ることに成功している。
わずか一月ぐらいであろうか、いじめで疲弊した教室に代用教員として阿部寛が登校する冒頭シーンは、緊張感とこれから始まる嵐を予測する素晴らしい映像である。バスで読む文庫本。降り立って校舎を仰角して見る彼の視線は今から始まる戦争を予見するものである。
セリフはないも . . . 本文を読む
韓国一の清純派女優ソン・イェジンさまが初めて悪女役に挑戦、といった触れ込みの映画でしょうなあ。映画館もそれなりに韓流では珍しく男性の人数が女性より多かった。これは快挙です。
冒頭から日本人ファン向けなのか大阪でソン・イェジンがスリに失敗し、剃刀で相手を傷つけ逃げ惑うところから始まる。怪しげな日本語、少々たどたどしいがこれもサービスなんでしょうなあ。
ぐっと脇の開いたチャイナドレス、太ももまでグ . . . 本文を読む
クァク・ジェヨン監督、「猟奇的な彼女」のエンターテインメント性はどこに行ってしまったのだろうか、彼のファンからすると何とも言えないほろ苦さが残る作品であった。
スランプなんだろうか、この作品には今まであった独創性がほとんど感じられず、何も知らないでこの映画を見た人がクァク・ジェヨン作品だと気づく人はいないのではあるまいか、と思われるほど新鮮さに乏しいストーリー展開なのであります。
恐らく彼の脳 . . . 本文を読む