なかなか達者な筆さばきであります。ミステリー的には殺人事件といったものは起こらないが、山岳での事故に対するアッと驚く仕掛けも用意されており、十分読むに値する秀作であります。
けれど1点だけ言いたいことがある。
少々クリスティーの著名な小説と同様の伏線だが、それを明かさず最後の方になって言及するというのはいかがなものか。やはり両事故とも有数な山岳事故であるだけに、事故の真実を追いかける専門ルポラ . . . 本文を読む
現代の学生が考えるいわゆる「女の一生」です。一人のカップルを歳月を通して、4人の役者カップルで演じるという実にある意味贅沢な作り込みです。でも子供たちや孫が以前のカップルで演じられるので、少々嬉しい戸惑いも生じます(これは見ていて面白い)。
それにしても実に安定したある意味恵まれた女の一生で、ほとんど通常の人間が経験するいわゆる「苦労」といったものはあまり見えてこないと思いました。
まだ(若い . . . 本文を読む