目には目を歯には歯を、という復讐法に焦点を持ってきたのがまずこの小説の成功の秘訣だろう。このプロットはとても面白いし、そして否が応でも考えさせられる。つまり読者が他人事と言ってられない何かが、常に残滓となって自分に乗りかかって来るからである。
これをテーマに5編の短編。
すべて一気読み。読むのが厭でも、本を離せなくなるから不思議である。これは作者の力量がそうさせるのか、それともこの深淵たるテー . . . 本文を読む
自前の劇場を持つ劇団である。そこそこ立派な劇場で、天井までの高さもある。出し物は地方の中小スーパーの話である。隣町に大型商業ゾーンが出来るという。さて、このスーパーは生き残ることができるのか。
店員さん、新米店長などの日常がじっくり描かれる。スーパーという親近感のある話なので、とても他人事と思えない何かがずっと存在する。このスーパーもこの街に乗り込んできた時には、今の商店街に同じ思いをさせたらし . . . 本文を読む