まあよく練られたミステリーであります。読んでいて楽しいし、あまり関係ないと思われた事件がなんとそれが動機付けになるなど、伏線の張りかたも一流です。立派でございます。
まあ、あんなへんてこりん家族はそうそういないとは思いますが、そこは一方変わり者でも一流のらいちさまがでーんと控えているから、読ませます。
ただトリックはちょっとやり過ぎの感もないではない。いくら何でもセックスの最中に犯行をやっての . . . 本文を読む
長江の下流から上流、そして源流へと遡る膨大でたゆまない人生を映し出すリー・ピンビンのカメラの集大成。そのすごさ。今回はアン・ウェイの音響も映像にすこぶるマッチし、壮大な映像詩を見せてくれる。
最初落ちぶれたような娼婦のアン・ルーが川をさかのぼるごとく若くなってゆき、川の精としての彩を見せ、同時に生と死の重みを感じさせる展開に唸ります。
不意に訪れる一個の死もこの膨大な長江の流れのもとでは一瞬の . . . 本文を読む