かなり水準の高い映画。白黒だけど映像はホント美しい。ある阿呆の男の一生といえばそれで終わりだけど、嫉妬深くて切れやすくてそのくせ寂しがりやな男て近代的日本人の典型じゃなかったっけ。そういう普遍的な男の生き方を追うカメラ。凄い。
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時代を感じるなあ。出番が少ないC・Cの勿体ない使い方。でもそれだからこそラストが効いてるんだろうねえ。イタリアの犯罪ものでも、明るさがあるし、娯楽作としてはグー。小品だけどいい味わいが出てる。
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日本の美学。美しい家のたたずまい。調度品の優美。問題はだけど吉永だなあ。いつも思うけれど、演技が出すぎ。もっと抑えられないものか。石坂、大原、ミヤコ蝶々粋だね。おはんって、でもいやな女だね。こんな女の存在は許せないなあ。
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題材は現代のニューヨークに生きる様々な人間模様。と言いたいところだが、中身がなさ過ぎる。これで映像がピシッと決めていたらまだ楽しめるものを、、。E・バーンズ、監督としてはまだまだかな。映像処理的にはいろんなことを試してはいるが、、。
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冒頭とその対極のラストが見事。
人間が描けている。小説って、人間が書けているか、全体に漂うモチーフに惹かれるかどちらかだろうなあ。
最近こんなわくわくして読む小説はほかになかったなあ。
映画でもこうはいかないなあ。
80点 . . . 本文を読む
今見てよく分かるが007なんだよね。時代が変わってお色気を抜いて現代的にアレンジしてるけど、展開とあの漫画チックな構想はまさにそれ。人間のアクション映画に望むものって古今東西変わらないんだね。作品的には充分楽しめましたよ。
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楽しいねえ。相変わらずのエスプリに目が細まるが、こんな魔法を堂々と持ってくることが、うーん、さすがと感心。ものすごく生き生きとしたアレンものになった。最後の落ちに完璧にやられました。かなり娯楽度も完成度も高いです。
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35年前の日本を見る。大阪と東京を変によそよそしい都会に描き、九州と北海道が心のふるさとがごとき。その移動間で人の命のはかなさ、現実を知る。たった1週間ぐらいの行程だけれど、人生を見たんだね。それでも家族は生きてゆく。秀作。
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どうしてもタルコフスキーを思い浮かべながら見てしまうこの映画。そんなに強烈な映画ではなかったのに、印象はゆらりと明確に残っているんだね。ラストは変えちゃった方がよかったのではないかと思う。あれでは、最後まで比較感のまま終わってしまう。
キーとなる女優さんがきつすぎる顔だ。もうこれでこの映画だめだなと思う。
でもこの瞬間、タルコフスキーと比較している自分を感じる。
あの、哲学的な映画に見える「惑 . . . 本文を読む
チャーミングなラブストーリーだ。本筋のハナシはごてごてしてるがでもさすが最後は泣いてしまった。主役の医者が竹中でなかったらかなり印象の違う映画になったろう。惜しい。
昨日「リンダ リンダ リンダ」を見たせいか、自然さで、すがすがしい青春映画の秀作を見たあとなので、どうしても作られた感のある恋物語に対照的な印象を覚えた。
それでも、あっと驚く展開を設定しているので、ドラマ的には面白い。しかし、悪く . . . 本文を読む
等身大の何気ない高校生たちの日常。そこにはドラマはない。淡々としたごく普通の高校生生活。うまいなあ。ラストは小津で締めくくる。映像もずいぶん風格を持ってきて立派になった。脚本がないかのような自然体のセリフ。
そこには淡々とした文化祭までの日常があるだけだ。それなのに、2時間過ぎると切り取られた青春の1ページがまさにそこにある。そのとき初めてひとつのドラマがあったことに気づく。
この映画はそういう . . . 本文を読む
文学的。バスを逢瀬の道具に使うなど洒落ている。イタリア映画とはいえフランス風。二人がフランス人だから当たり前だが、タッチがまさにそう。フランスの愛の執念。怖いぐらい。
だけど、ラストがあまりにあっけらかん。
国があるのならあれはないでしょう。殺人未遂をして(それぞれ2回)罪にとがめられないなんてあるのだろうか、、。その漫画チックな展開に驚くが、ひょっとしたら意味があるのだろうか、、。
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イタリア、シシリーでは有名な人なんだろうなあ。前半の1時間はアジテーターが多く、人間的にも見るべきところはなく退屈だったが、後半仲間の「アジだけでは心が通じないぞ」の一言から本当の連帯を知るあたりから俄然面白くなる。
なんといっても、マフィアとのつながりから抜け出たものの結局はマフィアに殺されてしまう一人の男の人生が走馬灯のように映る。
人それぞれ、精一杯の人生を生きるのだが、駆け足過ぎて描 . . . 本文を読む
相変わらず洗練された映像。市川準の色だ。この移ろい行く色彩は東京にはぴったりだ。
1年ぽっきりの恋。期限があるのにやはり恋愛感情はそんなものでなくなってくる。どっと押し寄せる別れの不安。一筋見たい淡い光。この灯を消したくない気持ち。そんな当たり前の女の感情を田中が結構うまく演じている。
前半の30分が東京に生活している女性のスケッチだったのが、だんだん深みに入ってくるあたりからいい。ホント、普 . . . 本文を読む
レトロ調の様式を全編に、じわじわ怖いハナシが幻想的に美しく続いてゆく。そこらのホラーより僕には怖かったなあ。夢野久作の世界が映像を通して伝わってくる。その美しきことよ。でも、ラストがちょっと拍子抜けかな。
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