この作品を見ると小津との違いがよく分かる。やはり小津は映像に重きを置いている作家だ。成瀬はじっとしていない。すべてに動きがある。悪く言えば落ち着きがない。でも、それがこの人生の晩菊をいとしいものにしている。杉村いいけど主役はちときつい。
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予知夢という面白そうな素材なのにまったく生かせていないぐうたら映画です。たまにはこれこそアメリカ映画の脚本を良くご勉強なさればいかがでしょうか、、。起承転結らしきものがないのでもう退屈で、、。
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日本版「道」。まさにジェルソミーナ。彼女は汚辱の中で生き、死に行くが彼女の内包するところは無償の愛の世界。彼女の中では密度の高い愛が形成されていたのだから不幸な女性なんかではない。男に愛されているのも感じ取っていたのだから。
添え物でいいはずの浅丘が急に意味を持たせようとするラスト近くはバランスを崩している。
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映像も演出も勢いがあり生きるために売春する女たちの生き様を少し誇張はしているがしたたかに描ききる。不思議とこの映画に出てくる人で善人は一人もいない。こういう映画もまた珍しい。横溝のペシミストぶりが窺われる。まさに秀作。
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もう折原は余裕がありすぎます。
と感じるほど、相変わらずの倒叙もの。
ひねりにひねりを入れたまたいつもの折原節。快調です。
でもこの人の作品は読んだ後の読後感が、たとえば感動に至るようなものがないことかな。
ほとんどそうである。
初期の作品で、プロットのみで感動したものはあるけれど。
でも今読み返すとどうか分かりません。
65点 . . . 本文を読む
かなりのめり込めた作品ではある。何気なく殺人を起こしてしまう少年を中心に、被害者たちがうごめき渡る。ただ何をやっても何を考えても空回りするだけなのだ。救済はないのだから。悲しみは通常は時間が解決してくれる。
だが、この理不尽は時間さえ解決の糸口にはならない。恐らく生きている間は地獄状態なのだ。それは加害者も被害者もその家族もみんなそうだ。
だから津田だけが死ねず生き残る。津田は小栗を殺すべきでは . . . 本文を読む
純度の高い恋愛映画で印象度はかなり高く、ピュアな世界に一瞬でも浸れたことを感謝。これぞ恋愛映画の最右翼だと思うが、テレビ用製作ものなので大スクリーンには向かないかも。カップルで小さなミニシアターで見て欲しい作品だ。素晴らしい愛の世界、、。
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色が青から通常の色彩に変わっている。その代わりテーマは肉体と永遠の愛か。沖縄の海が映える。死が存在しないかのような解剖実習で彼らは何を見たのか、、。何か、でもぶつぶつ小声で言ってる感じがして不消化感が残る。
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思ったよりお金をかけたCGに今までの日本的安っぽさが全然なくわくわくする面白さ。映像も鋭角的で美しい。話も後半から大人にも耐えれるように作ってあるので見ごたえはある。ただ1つだけ難点。それは僕に子供心のないこと。そのため、ほとんどこの作品に気持ちが乗れることはなかった。それは作品のせいではない。僕のせい。もういつもなので我ながら諦めています。
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どうも半ば辺りまで気恥ずかしくて仕様がなかった。女性が書いたコミックというイメージが強すぎ女の子の吐息が聞こえてきそうだからだ。あ、見ちゃいけないものをまた見てしまっているという思いが脳裏を駆け巡り、これだから女の子の世界は狭いワイとタカを食っていたら、だんだん二人の女性の友情という世界にどっぷり使っている自分に気づきはじめる。
まあ、多少女性から見た男性像が理想的過ぎてちょっと鼻持ちならないと . . . 本文を読む
思いがけず、ピシッと引き締まった画面と人間的視点のスケールの大きさにド感動。アメリカが得意にしているいつものスポーツものとは完全に次元が違う。スポーツ馬鹿を育てていくのではなく、人生の方向をきっちり教え、生徒も自らそれを勝ち取ってゆく、そのすがすがしさ。
最近、これほどオーソドックスなヒューマン映画は見ていない。久々に映画的感動をした。ずしんと重い。
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学園でのタイムスリップもの。とは言いつつ何回も行ったり来たりして新種ではある。手法で「運命じゃない人」を見てしまっているので、新鮮さでは劣るが、なかなか楽しい。しかしそれにしても時間のどたばただけで人間描こうとする意思が見えないので深みがない。
ラストの気の聞いた話も、匂わせているのだから分かるのに、また未来人が戻ってきて説明過剰。
下手だなあ。
登場人物はみんな魅力的。また、上野樹里がきれ . . . 本文を読む
これだけ大物俳優を揃えておき内容はアメリカ好みの知識層を対象にしたエセ哲学探偵とは、、。映画の脚本の創作界は今やどういうことになっているんだろうと訝ってしまう。コメディーなんだけど、面白くない。俳優はそれぞれ頑張ってはいます。
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こましゃくれた娘の悪戯に苛苛しつつ、老人と、心は寂しい娘との青い鳥探しの小トリップ。予想されるほどの悪意のある映画ではなかったが、映像を見ているあいだ娘を可愛いと思っている観客は少なかったはず。こんな作り方に少々疑問。
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