どこにでもありそうな喫茶店だが、そういえば最近純喫茶なんていうのも流行らなくなったかなあ。アルコールを置かないのが純喫茶だと思っているが、本当は軽食も駄目なんだろうなあ。でも、サンドイッチは駄目なの、とかいわれると困る。
まあ、最初から中身のないハナシでゴメンナサイ。この映画もそれほど中身があるわけではないので、同化されちゃった感じです。
えー、でも通常の日常なんてだいたいこんなもので、この中 . . . 本文を読む
母親から何故か幼児期に虐待を受けて成長した青年と童話作家の老女とその娘との3人をトライアングルで奏でる氷が凍えて融解するまでの寓話であります。
見た目はちょっと切れ気味ではあるけれども温和そうな青年。別に人格障害なんて大それた病気だとも思わないけれども映画では一応病人であります。何かこういう青年はそこらにいるような気もします。特に危険は感じない。
その青年が気になった老作家、通常であれば彼女が . . . 本文を読む
凝ってない映画なんですね。映画的にテクニックを駆使するのを敢えて避けているようなだるさの残る展開、演出。しかし、何か不思議な魅力がある。これがファズビンダーなんだろうなあ。
ストーリーを追っているようで実はそうでもなく、かと言って芸術肌の映画作りをしているのでもない。むしろB級映画的なダサさを前面に出しているところもあり、それでいて何か読後感が哀しい余韻が充満する映画であります。
それほど彼の . . . 本文を読む
完全に演劇をそのまま映画化した作品だ。出演者は女性だけ。舞台の調度もいたってシンプル。宗教画のような大壁画が画面いっぱいを覆っているが、それもそれほどハナシに影響してこない。(裸体が少々意味あるのかもしれないが、、)
女の一生のハナシである。ファッションデザイナーで一応通常の結婚も経験しているが、ある時から一人の女を求め彷徨っている。けれど、所詮、性的に住む世界が違うところでの恋愛なのである。若 . . . 本文を読む
文章がとりわけ簡易で読みやすいのが重松清の特徴だ。単語にルビが必要な文字はない。その分、ページの繰りが早くなるのだがストレートでまともな心情がぼくらに伝わってくる。
死んでしまった親父と巡り合うというのはよくあるパターンだが、今回は死ぬ寸前の25年前にタイムパラドックスしたほぼ主人公と同年齢との親父の出会いであります。これが堪らなくいいです。しびれます。
ただ、主人公の妻との葛藤が小説では理解 . . . 本文を読む
梅雨明け間近かなと思っていたら、結構嵐だったりする。朝方はものすごい雷雨で目を覚ましてしまった。普通こういうときは梅雨明けのサインなのであるが、今年はそうでもない。意外と涼しい日もある。といって、梅雨明けを待ち望んでいるのでは決してない。むしろ梅雨は嫌いでない。その後に来る真夏が恐怖だ。暑いのはだめなんです。
月曜日はばたばた家の用事をしてから天六へ行く。大体月に一度は行くことにしている。大好き . . . 本文を読む
混迷、迷宮、、何て表現すればいいのだろう、とても面白い映画であると共にはちゃめちゃな映画でもある。映像的にもほんとスタイリッシュだし殺し屋の洗練されたガン捌きはため息が出るほど美しい。
わけの分からないモノローグが全編を通し観客に迷宮の世界を構築する。この映画だけが持つ混迷さの持つ魅力はなかなかのものだ。けれど、それも後半になって自己分解していくようなつじつまの合わないものになっていく。完成品で . . . 本文を読む
阪本順治、久々に作りたかった素材を映画化した感が強い。ハナシが現代っぽくなく、どちらかというと昭和っぽい感じがレトロな懐かしい感覚を呼ぶ。
力んでいない演出はしかしダサっぽい感もあるが、単純なストーリーをアウトローにたたみ込めるアクションはさすが楽しませてくれる。でも、何かスパイスが足りないかなあ。B級アクションに徹しているのはいいけれど、ラストの怨念爆発シーンは松田優作へのオマージュが強く、少 . . . 本文を読む
迫力のある人間群像劇だ。登場人物の多さはひとりひとりの陰影が鋭いことから逆にこの映画のダイナミックさを深めている。演出、出演者のボルテージの高さが伺われる力作だ。
そうなんですね。もうあの事故から23年。歳月は限りなく過ぎ、今ジャンボは多少便数は少なくなったけれど普通に飛んでいる。当時より万全なメンテをしていると思えない小事故が今でも続いている。この事故を教訓にしていた時代は過ぎたのではないか、 . . . 本文を読む
社会派的な映画作りだが、娯楽作品であることには間違いない。娯楽作品であっても映像から何かを感じる映画でもない。この題材にしてそういう意味で不思議な映画でもあります。
まず冒頭にスターアナウンサーであるリチャード・ギアのオンエア中のぶち切れシーンがあります。ここが僕には中途半端に思えた。サラエボの戦場を目の前にして大の大人がその感情の憤りで切れている風でもなく、ただ吠えているんだ。そのため彼は名声 . . . 本文を読む
「容疑者Xの献身」が超傑作で泣かせる見事な作品であった反動か、東野圭吾はそれ以降僕の期待を裏切っている。前作「夜明けの街で」も気を抜いた作品と見受けられ、そして本作である。
冒頭の交通事故の迫力はさすがだなあと思ったが、それ以降どうも平板であります。面白くなってくるのはラストの80ページであろうか、事故の真実はミステリーとしてはまあ面白いけれども東野圭吾としては普通の出来。
どうも題名にもなった . . . 本文を読む
世界的に悪評の高いアパルトヘイト策と戦い自由を手に入れた男を題材にするも、実は看守の目線で人間としての自由のあり方を模索した秀作であります。
この第三者の看守の視点から描いているのがいい。特に立派な人格を持っているというのでもなく、また特に日和見主義者というのでもない。飽くまで、どこにでもいる多少まともな人間性を持っている看守の話である。
ある意味、自由の象徴たるマンデラとの27年の心の交流。 . . . 本文を読む
ルコントの人生の親友をテーマにしたコメディだ。今までの劇映画からは随分力が抜けたさりげないタッチのスケッチ風の映画でもある。
フランス映画って、恋愛ものから家族もの、政治ものまであらゆるジャンルに映画を輩出しているが、それぞれ人の関わるものについては実に真剣で、日本との違いを感じてしまう。さすが、恋の国、世界最初の人権宣言の国であります。
で、ダニエル・オートゥイユほどの年齢の御仁でも友人と思 . . . 本文を読む