
大好きなアンダーソン作品。今回は結構しっかり長編してる。3部作の最後だというから力が入っている感がする。相変わらず楽しく、シュールで、哀しく、人生って愛らしく思えるほど。
構成としては平たく言えばコント集とも言えるのであるが、40近くあり、場面、出演者等それぞれ相関関係もあり、十分劇映画として見ることができる。カメラは絵画のようにほぼ固定。そのためクローズアップは全くない。アンダーソンの審美的姿勢がよく出ている。大勢の登場人物シーンでは、当然一人一人の表情が小さくなるのであるが、不思議と表情がよく分かるのである。
僕は多数の挿話の中でも若き暴君が歴史の時間設定を超え、現代のバーに突入する話が好きである。女を追い出し、カウンターの若い店員をナンパするシーンは傑作であります。
最後の方はちと長いかなあとも思ったが、アンダーソン、気合の入った作品であった。これぞ映画が芸術であることを表す珠玉の作品である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます