子供の頃、種子島で大雪が降ったことがある。
大雪といっても積雪量10cmくらいだったが、それでも何十年かぶりの大雪ということだった。
朝起きると一面の銀世界だった。南国の緑の大地を一晩で白一色の世界に変えていた。
こんな景色は写真や映像でしか見たことがなく、まさに天からのプレゼントだった。
このときの興奮は今でも忘れられない。
学校に向かう途中、向こうから子供が歩いてきて
「学校は休みになったぞー」
と叫んでいた。大雪で臨時休校になったのである。
さあ、子供たちはじっとしていられない。
最初に雪ダルマを作った。雪の玉を転がして大きくするのだが、きれいな球形に丸めるのが意外と難しかった。
本で見たように、炭で目鼻を作りバケツの帽子をかぶせた。
それから雪合戦をした。雪が襟元から入り冷たかったが、寒さなど感じなかった。
友達の中には、板切れに靴をくくりつけ、スキー代わりにして滑っている子もいたが、うまく滑れるはずもなかった。
大人たちも畑仕事ができず、休業日となった。
楽しい雪の一日はこうして終わった。
雪は三日くらい残っていたが、泥と混じって消えていった。
このように、子供の頃雪にあこがれた私であったが、就職すると石川県、宮城県、福島県、長野県と、なぜか雪国ばかり転勤して歩き、東北の地吹雪の中を運転するなど、雪と格闘する日々が続くのだった。
大雪といっても積雪量10cmくらいだったが、それでも何十年かぶりの大雪ということだった。
朝起きると一面の銀世界だった。南国の緑の大地を一晩で白一色の世界に変えていた。
こんな景色は写真や映像でしか見たことがなく、まさに天からのプレゼントだった。
このときの興奮は今でも忘れられない。
学校に向かう途中、向こうから子供が歩いてきて
「学校は休みになったぞー」
と叫んでいた。大雪で臨時休校になったのである。
さあ、子供たちはじっとしていられない。
最初に雪ダルマを作った。雪の玉を転がして大きくするのだが、きれいな球形に丸めるのが意外と難しかった。
本で見たように、炭で目鼻を作りバケツの帽子をかぶせた。
それから雪合戦をした。雪が襟元から入り冷たかったが、寒さなど感じなかった。
友達の中には、板切れに靴をくくりつけ、スキー代わりにして滑っている子もいたが、うまく滑れるはずもなかった。
大人たちも畑仕事ができず、休業日となった。
楽しい雪の一日はこうして終わった。
雪は三日くらい残っていたが、泥と混じって消えていった。
このように、子供の頃雪にあこがれた私であったが、就職すると石川県、宮城県、福島県、長野県と、なぜか雪国ばかり転勤して歩き、東北の地吹雪の中を運転するなど、雪と格闘する日々が続くのだった。