鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

食の思い出「金沢のかぶら寿司」

2010-09-06 | 食べ物
金沢は、私たち夫婦が結婚した町である。
兼六園、武家屋敷など観光地が多く、新婚時代の私たちは金沢の町をよく散歩した。
北陸の小京都といわれる金沢は、歴史のある美しい町だったが、種子島生まれの私たち夫婦にとって、冬のジメジメした気候はこたえた。
雪の降るどんよりとした日がずっと続き、陰鬱な気分だった。
妻は、身重の体で毎日雪かきをした。
雪かきをしないと、車の出入りが出来ないのである。

金沢は、日本海の魚介類を始め、食べ物のおいしいところだった。
近江町市場という市場があり、よくここで買い物をした。
冬のズワイガニのおいしさは格別だった。
プリプリと身がいっぱい入ったカニは、塩茹でにして食べるのがシンプルでカニ本来の味が味わえる。
甘エビなど、他にもおいしいものがたくさんあったが、金沢独特の食べ物といえば、かぶら寿司だろう。
かぶら寿司は、麹を入れたご飯に、かぶら、ブリ、ニンジン、昆布などを漬け込んで作るなれ寿司である。
漬け込む期間は1~2週間と比較的短く、年末の贈答用によく売られている。
滋賀の鮒寿司のような発酵臭もなく、かぶらのあっさりしたシャキシャキ感に、ブリの深みのある味が絡んで、上品な味がする。

金沢には3年間住んだが、やがて次の転勤地仙台へ、妻とそのお腹にいる子供と飼い猫を連れて旅立った。


かぶら寿司。(http://www.kanenakaya.com/kabura.htmlより)
コメント (8)
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