鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

食の思い出「三陸のホヤ」

2010-09-30 | 食べ物
広瀬川、青葉城、七夕祭り・・・
仙台は、さとう宗幸の歌う「青葉城恋歌」そのものの街だった。
近くには松島があり、少し足を延ばせば三陸の海があった。

仙台に住んでいたとき三陸出身の知人がいて、彼を通じて三陸の魚介類を取り寄せて食べた。
年末になるとサケを注文するのだが、安くしてくれる上に、おまけにカキをたくさんいただいた。
サケとお腹のイクラで、はらこ飯を作った。サケ入りの炊き込みご飯に、しょうゆ漬けのイクラを乗せたものである。
サケとイクラの親子が口の中で混じり合い、イクラのプチプチした食感もいい。
サケとイクラはどこでも手に入るから、今でも時々作るが、自宅で宴会のとき出すと評判がいい。

カキはそれまで、生カキ、カキフライ、カキ鍋くらいしか食べたことがなかったが、蒸しカキというのを教わった。
殻付きカキを蒸して、レモン汁かポン酢をかけて食べると、プリッとした食感と海のミルクのような味がしておいしい。

三陸の食べ物で忘れられないのは、ホヤである。
ホヤ(海鞘)は、岩に付着する動物であるが養殖されており、別名海のパイナップルと呼ばれる。
オレンジ色の、卵よりやや大きい楕円形で、外から突起が出ており、いかにもグロテスクである。
外は、やや硬い皮に覆われているので、これを剥いて中の軟らかい身を食べる。
味がまた強烈で、生臭さと海の味が混じったような、鼻を突く刺激臭と味がする。
仙台の人でも、食べられない人が多かった。
妻は、最初抵抗があったが、やがて料理するようになった。
キュウリと一緒に酢の物にするのが、一般的な食べ方である。
焼いたり、フライにしたりしてもいいが、酢の物のほうがホヤ本来の味がする。
酒の肴にすると、この刺激のある味が病みつきになる。
鹿児島でもたまに手に入るので、今でも時々買って食べる。

仙台には2回合計6年間住み、種子島、鹿児島市に次いで長く、ずいぶん親しくした人もいて、第3のふるさとになった。


ホヤ(http://www.pref.iwate.jp/~hp5507/hoya/hoya.htmより)


自宅で作ったホヤとキュウリの酢の物。
コメント (6)
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