鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

いらか

2015-05-06 | エッセイ

妻と散歩していると、遠くに鯉のぼりが泳いでいるのが見えた。

♪ いらかのなみとくものなみ かさなるなみのなかぞらを・・・

妻が歌いながら

「いらかって何?」

「瓦(かわら)のことだよ。瓦を波に見立てて、瓦の波と雲の波の間の空を、鯉のぼりが泳いでいる、という意味だよ」

「そうなの」

 

会話はそれで終わったのだが、しばらくすると正面に日本瓦の屋根が見え、それが波打っているようだったので

「ほら。あの屋根の瓦が波打っているように見えるのを、いらかの波と言ったんだよ」

「えっ。かわらって屋根の瓦のことなの」

「そうだよ。さっきから説明してるじゃないか。何だと思ったの」

「川原(かわら)かと。川の波のことかと思った」

「鯉のぼりは、人家の庭の上で泳ぐものだろう。その下にどうして川があるんだよ」

「川を横断して、鯉のぼりがたくさん泳いでいるじゃない」

「それは最近の風潮だろう。この歌は、家の横で屋根より高いところを、鯉のぼりが泳いでいる風景を歌ったものだよ」

「そうなのね」

とまあ、何ともお粗末な会話であった。

 

いらかの波と鯉のぼり。

コメント (8)
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