鹿児島市の喜入旧麓の通りから、香梅ヶ渕(こべがふち)へ行きます。
この先を進むと左にあります。
香梅ヶ渕へ着きました。川は八幡川で、正面の木の向こうが渕です。
先客が渕を眺めていました。
紺碧の渕。ここには悲しい物語があります。
昔、領主が家来たちとここで花見の宴を開きました。給仕役だった侍女の香梅は、領主の前を退こうとしたとき、帯が触れ合って異様な音がしました。
美しく領主の寵愛を受けていた香梅のことを、快く思っていなかった他の侍女たちは、それが「おなら」であるとささやきました。
それが領主の耳にも入り、顔色が変わりました。香梅はそれが衣擦れの音とわかっていましたが、言い訳もせず、身の置き所がないほど苦しみました。
その時、家来の一人が香梅を助けようと「この清流に盃を投ぜよ。川下に流れれば、音は衣擦れであり、潔白が証明されるだろう」と叫びました。
これを聞いた香梅は、盃を投げましたが、上流へ流れていきました。香梅は絶望し、渕に身を投げて亡くなりました。
渕の下流です。
渕の上流に滝があります。
近景。
下流を望む。渕はこの先です。